第57話 ひんがしに戦のありや鰯雲


 

 

  

 句歴2年8か月のケイコ、少しずつ自分のカラーが出来つつあるような……。

 鑑賞で惹かれるのはダイナミックで簡潔、作者の人物像が透けて見える句。

 逆にちょっとアレなのは、秘せるナルシシズムの影がちらつく、あまい句。

 俳句芸術を自己愛の発露の具につかうのは、無粋の極みかと。( ^^) _旦~~

 

 

                ☕

 

 

 それにつけても……と念願の杉田久女の生涯を書き終えたケイコは思います。

 たとえ虚子ゆずりの才があったとしても、ケイコと同程度の句歴しかない立子が主宰誌『玉藻』を創刊したことを遠く小倉から13歳年長の久女は、いいえ、久女のみならず『ホトトギス』を支えて来た同人たちはどう見ていたのだろう、と。

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