第47話 一編の詩を遊ばせて野紺菊


 

 

 

 どこまでも深く沈んで行ってしまいそうな雨の日をなんとかやり過ごした翌朝、ハンナがひとりの眠りから醒めてみると、曇り空ながら雨は上がっていました。


 終日の家籠りで、自分との対峙に疲れたハンナにも、朝はやって来たのです。

 気だるい動作でPCを開いたハンナの目に、一編の詩が飛びこんで来ました。


 それはまさに、今朝のハンナのために紡がれたようなメルヘンチックな一編で、味読したハンナは、自分の心が陰から陽へ反転する、幸福な瞬間を味わいました。

 


 

                ☆彡

 

 


 正解のある理系とちがい、絶対的な評価はあり得ない芸術の世界ですが、他者は知らず、絶望の淵にいるひとりの読み手をこれほど温かく慰めてくれる文学の力を再認識したハンナは、しばらく中断していた自身の執筆を再開しました。(#^.^#)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る