第32話 月の人輿にはみ出す裳裾かな



 

 

 この星に別れを告げて、月へもどったかぐや姫。



       

                🌔




 華奢な肢体をあずけた美々しい輿から、ちらりと覗かせた十重二十重の裳裾の艶めかしさに、昴も北斗七星も秋の四辺形も、いっせいに胸をときめかせています。




                ☆彡




 だからほら、今宵の星空は、いつもに増して、あんなにも輝いているのですね。


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