第6話 頭蓋骨小さくなりて髪洗ふ



 

 

 まず、ん? と思ったのはスニーカーでした。

 ――おや?

 なんだかブカブカして妙に歩きにくいのです。



 つぎは、何気なくかざした手首でした。

 ――ほそっ!

 わたしって、こんなに細かったっけ?

 


 きわめつけはシャンプーのときでした。

 ――あれ? 

 頭蓋骨が両の掌に収まってしまいます。 


 

 自律神経を病んで痩せたせいかしら?

 それとも、単なる加齢のせいかしら?

 ――とにかく身体はずっと同じなわけじゃない。

 当たり前のことを体感として実感した瞬間でした。



               👏                      

 

 それがいまから三年前のことで、サクラの頭蓋骨はいまだに小さいまま。

 でも、こぢんまりした頭蓋骨を、以前より丁寧に労わり愛しんでいます。

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