途切れ途切れに音が聞こえる。

 靄がかかっている。


 白い壁の部屋。


「…いで…逃……よう」

 ルッダはカリンを

「…うして……だ!」

「…達、騙され……………、………んて嘘…………」

「そんなことない、そんなこと…」

 カリンが首を振る。泣いている。

 ルッダは 、おかしい


「こんなところ、逃げ…きゃダメ……」

 ルッダがカリンの に強引に黒い 輪をはめる。 。

 カリン が、 れて く。

「何……の、……!?」

「逃げ…、必…。」

 同じ腕輪 ルッダは自分の腕にも装 し、

 る 。

「……………できない!」

 ルッダの口が動く。

「約束……………………。……を……の。」

 腕輪が、きつく締まる。

 視界が暗くなる。


 大きな音を立てて、部屋に幾人も入ってくる。豚の頭をした男が先頭にいる。

 何か怒鳴っている。

 男は指輪をはめた大きな手で、ルッダの顔を掴む。

 そのまま床に叩きつける。左の頬から出血する。ルッダはぐったりしている。

 カリンが叫ぶ。


 


 白く弾けた

 

 そんな


 どうして




 

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