#VTuber準備中
外見も名前も決まったところで、さっそくTwitterアカウントを作った。
アイコンはもちろん自分の顔にして、カバー写真は適当に作ったロゴにした。
Youtubeのチャンネルも揃えてある。
Youtubeチャンネルは、電話番号の確認をしないと配信ができないので困っていたが、昔動画投稿しようと思って作ったチャンネルがあるのを思い出し、乗っ取ってパスワードや登録メールアドレスを変更しておいた。
通知メールも消しておいたので問題ないはずだ。
さあ、初ツイートだ。
プロフィールもしっかり、自己紹介文を書いた。
「やあ、初めまして。混沌としたVTuber界に気品と伝統をもたらしに来たイギリス貴族だ。準備中につき、楽しみに待っていてくれ。」
…正直、本当にこんなこと言う人がいたらドン引きだ。
まあ、インパクトが強い方が目に留めてもらえるだろうし、これでいいだろう。
あとはURLもちゃんとYoutubeのチャンネルページを貼ったし大丈夫だろう。
現在地はヴァーチャルナイツブリッジでいいや。
「緊張するなあ。みんな見てくれるかなあ。」
1万人を超えると言われるだけあって、何の後ろ盾もない個人勢VTuberは特に厳しいスタートダッシュを強いられる。
最初は注目されなくて当たり前だと考えて動くべきだろう。
「とりあえず、初ツイートだ!ええい、ままよ!」
僕は覚悟を決めて、ツイートボタンを押した。
「
やあ、初めまして。
イギリス貴族のレイフ・フェイク=リベリオンだ。
この混沌としたVTuber界に気品と伝統をもたらしに来た。
今日は一足先に、Twitterにいるみんなに挨拶に来たぞ。
準備中につき、デビューを楽しみに待っていてくれ。
(画像)
#VTuber
#新人VTuber
#VTuberはじめました
#おはようVTuber
#VTuber準備中
」
突飛なことをするVTuberは挨拶で決まる。
例えば、男性器の形をしたVTuberは挨拶ツイートだけで3万回近くのいいねを集めた。
他にもお金をかけて人外系のキャラメイクをした人は気合を入れた自己紹介画像を作る。
まあ、僕はそういう路線ですることはできないのでこれくらいでいいだろう。
見た目はプロイラストレーターが描いたレベルのクオリティで仕上がっているし、サムネや企画など自分なりの勝負をかけられるポイントなんてまだまだいくらでもある。
ちゃんと挨拶ツイートにもカッコいいイラストは付けた。
タグも新人の自己紹介用のものをいっぱいつけた。
まずはこれでいい。
そんなことを考えていたら、ポツポツといいねやリツイートが付きだした。
お!いい感じ!と思っていたらリプライがついた。
「初めまして!とってもかっこいいですね!デビュー楽しみにしています!」
素直に嬉しかった。
月並みな言葉だし、返事も「ありがとうございます!」くらいしか返せないような内容だけど、とても温かい空気を感じた。
その後も続々と「目がキレイ!」「シンプルなのにすごい細かい衣装!」「イラストすごい気合入ってる!」といった温かいリプライが続き、その日のうちに600いいね、200リツイートまで伸びた。
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