第23話〜信号はよく見て渡ろう
さて、突っ込んできたトラックに轢かれた俺は、モザイク必須のミートさんにジョブチェンジしたわけだが。
もちろんそこて話が終わらないから、こうして物語が進行してるんだな。
ありきたりと言ったらなんだけど、気がついたら真っ白な部屋で目を覚ましたんだ。
そこで見たこともないほど綺麗な女神様……ではなくて禿げてるくせに髭だけは床に届くくらい立派な爺さんとご対面。
それでまぁかくかくしかじかありきたりな感じに、異世界に転生することになったわけだ。
え、かくかくしかじかの中身が知りたい?
別に魔神の脅威とか世界の救済とか、輪廻転生による魂の総量だとか、そんなご大層な理由なんてなかったよ。
普通に抽選で選ばれたというか、キリ番だったから特典で望みの世界に転生させてもらえるシステムらしい。
なんでも少し前に根本となる世界で革命が起こって、世界のシステムが娯楽よりになったんだってさ。
第0世界とか世界線だとか色々言ってたけど、お年寄り特有のなんか長々とした話で途中から覚えてない。
とりあえず前の世界の肉体を再構築するか、赤ん坊から生まれ直すか選べるらしいから元の肉体を選択。
一応種族とか性別とか外見とかある程度選べるらしいけど、まぁ赤ん坊からやり直すのも人外になるのも別の顔でやり直すのもめんどいしスルー。
まぁ女体化には若干興味はあったけど、男に抱かれる趣味はないので選ばなかった。
ゲームのような選択肢とか、要素がある、いわゆる王道みたいな世界らしい。
二つ好きなスキルを選ばせてくれるらしいので、やはり異世界転生ものの王道として【鑑定】と【言語理解】を取得。
オプションで人族の主な言語は最初から使えるらしいが、種族や場所によって言語は変わるみたいだからそれにした。
異世界を見て回りたいからな。
一応説明しておくと、【鑑定】スキルは詳細を知りたいと思った対象のステータスから何まで赤裸々に知ることができるスキルだ。
まぁ昔ながらのゲームとかRPGとかでよくある能力だな。
【言語理解】はそのままあらゆる言語を理解し、話すことができる。
これは読み書きにも適応されるらしいのでかなり有能なスキルだ。
まぁ基本的な能力はレベルを上げて熟練度を上げていけばどうとでもなるらしいので、そこはまぁやり込み要素ってやつだな。
実際は長々と悩んだり説明されたり妄想を垂れ流しにしたりで時間は結構かかったが、まぁ案の定しびれを切らした爺さんに蹴り飛ばされて異世界に転生。
何はともあれドッキドキのワックワクな異世界生活の始まりだ。
あ、ちなみに気づいてる人はいるかもしれないが、俺が横断歩道を渡ったのは赤信号を確認してからだ。
赤信号。
赤は止まれだ。
トラックの運ちゃん。
本当に、ごめんなさい。
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