第22話〜ジョージ=ミート=謙一
俺の名前はジョージ=ミート=謙一。
どこにでもいる、ごくごく普通の高校生だ。
うん、これは言ってみたかっただけ。
自己紹介で自分のことをごくごく普通の高校生だなんて言う奴、普通に考えて普通じゃない。
それと父親が海外の生まれで、一応ハーフになるから、どこにでもいる普通の高校生、というと若干語弊があるかな。
いやまぁ最近はハーフやクォーターが増えてきてるし、髪の色も瞳も茶色に近い黒だからあんまり変わってるわけでもないか。
まぁ目鼻立ちというか堀が深くてパッと見外国人に間違われるけど、生まれも育ちも日本で、他人と比べて飛び抜けて秀でてるものがあるというわけでもないしな。
人よりちょっと個性的な、比較的どこにでもいる高校生ってとこで妥協しよう。
さて、自己紹介も済んだことだし、今の状況を簡単に説明しようか。
トラックに轢かれたと思ったら白い部屋にいて、そこで神様にチート能力もらったと思ったら異世界に転生してた。
うん、最近のラノベや小説の、タイトルや中身を簡潔に述べてみた、って感じになったな。
いや、別に俺は妄想を垂れ流しにしてるわけでも、高校三年にもなって中二病に発症してるわけでもない。
まぁアニメや小説、そういった文化についての理解はあるし、異世界転生ものについては一晩くらいは話せる自信はある。
だが俺はがっつりなオタクというわけではない。
どちらかというとカードやボードゲームとかの方が好きなくらいだ。
いや、誰かに言い訳をしてるわけではないんだが。
おっと、話が逸れつつあるな。
とりあえず、だ。
俺は学校帰りに駅まで歩いていたわけだ。
学校から駅まではほとんど一本道で、交差点はあるが見晴らしもよくて事故なんて起こった所は見たこともなかった。
俺は校門を出てすぐの交差点を赤信号であることをしっかりと確認した上で横断歩道を渡り始めた。
そこまでは覚えてる。
最期の瞬間に見た景色は、減速することなく突っ込んでくる大型トラックと、その運転席の運ちゃん。
俺の人生はこうして幕を下ろしたわけだ。
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