滅びの国の氷姫

三谷一葉

ある日の商店街

 やあ、可愛らしいお嬢さん。迷子かい?

 そっか、お友達を待ってるんだ。それは失礼をした。

 私? 私は迷子だよ。せっかくの休みだし楽しくお買い物でもするかーって思ってたら、この人だかりでさ。うっかりはぐれちゃったんだ。

 だから、見つけてくれるのを待ってるんだ。ほら、私、見ての通りのチビだし。

 お嬢さん、暇? じゃあ、お友達が来るまでで良いから、話し相手になって欲しいな。

 うーん、何を話そうか。

 あ、そうだ。こんなおとぎ話は、どうだろう。

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