第2話 輪くぐり (日本神道)

 輪くぐりと言うのは日本で夏ごろに行われる厄除け神事です。


 内容は茅(ちがや)と言う植物で作った輪をくぐることで無病息災を願う行事。


 これは三貴子(みはしらのうずのみこ)の1人で戦神でもあるスサノオノミコトが遠征した際に世話になった蘇民将来(そみんしょうらい)と言う男に「茅を腰に付けておけば疫病から守られる」と教えたとされる神事に由来します。


 多くの人が死ぬ、戦神は疫病神の相貌も併せ持つことが多く、彼も同様の属性を持ちます。


 日本で流行性感冒を『風邪』と称するのもスサノオノミコトが風神の属性を持つが故に、スサノオノミコトがもたらした『邪な風』を受けたと言う説があります。


 そんな彼の教えですから効果は抜群!


 ではこのエッセイではありません(笑)


 茅は東南アジア原産の植物で、この神話も東南アジアから伝わった物が日本でアレンジされました。


 更に付け加えて、茅は水辺のイネ科植物です。


 イネ科植物の大敵は、自分達の体液を吸う蚊であるので、身を守るために蚊の嫌う成分を分泌します。


 それを利用して蚊除け、病気避けとしたのが輪くぐりの起源となる伝承ですね。


 ですので輪くぐりはしている最中にしか効果がない疫病封じです。


 最近の日本では、蚊経由の伝染病も多く出るようになりました。


 虫除け対策をしっかりして、健康に気を付けてください。

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