1話 初戦

 ルールを念のため読み直して居たらら、あっという間に時間は流れ腕の時計は午後8時50分を指していた。

 

 けれどアスカンティア湖の周りを見渡しても人の気配が全くしない・・・


 だが湖の底からままならぬチカラを感じる。

 まるで殺気のナイフで、身体中をグサグサ穴だらけにされているような感じだ。


 時はたち、午後9時になっても誰も周りに居なかったが、俺はこのルールが正しいと信じ鼻を右手で摘みザブゥゥンと飛び込んだ...



—————ん・・・身体の感覚が・・・



 気が付いた時には何故か個室に居て、目の前には残り4分36秒と書かれた時計がカチカチと秒針を走らせていた。


 何が起きたのか分からなかった...


 だが1つだけ分かる事がある。

 それは、湖に入った瞬間転移能力が働いた。という事だ。


 転移系能力者は命を犠牲にする事で、その場に一生固定された転移陣を発生させるという話を昔聞いた事があったから直ぐに分かった。

 と、そんな考えをしている内に時計は00:00を指し、鐘と音と共に目の前の壁がすっっと消えた。


 

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