アドバイス

 悠が家に帰ると、さつきからLINEが来ていた。いつでもいいから返事くださいとのことだ。


 どうするかなあと迷っていると姉貴が登場した。


 「悠?悩んでいる?」


 「あー姉貴かあ」


 「姉貴だあ」


 「どうしようかな、この前のネットの子と付き合うってなったんだけど、そうしたら今日さつきが付き合いたいって」


 「なーに?悠もてもてじゃん」


 「そんなんじゃないよ」


 「まあ、悠はもてるよね、なんか分かる」


 「どうしたらいいのかな?」


 「悠はどうするつもりなの?」


 「さつきのことは友達としか思っていないから、でもさ、積極的に来られると、さつきでもいいのかなとか思っちゃったりとか」


 「なに?優柔不断ね、男でしょ」


 「うーん、夏帆はすぐにデートしたりはできないし」


 「まあ、それはそうだけど、好きなんでしょ?」


 「あ、うん、夏帆はかわいいかな」


 「まあ、すぐに結論出さなくてもいいのかもだけど、それと、夏帆ちゃんにはさつきちゃんの話したらだめだからね、心配させちゃうから」


 「あ、うん、そうだね」


 「素直でよろしい」姉は悠の頭をもってぎゅうっと抱きしめる。


 悠は姉の胸が当たる、と思いながらされるがままになっていた。



 悠がシャワーを浴びてスマホを見ると、夏帆からLINEが来ていた。


 画面を見ると、「もう帰ってきた?」とあった。


 すぐに通話をかける。


 夏帆が出てくれた。


 「ごめん、シャワー入っていた」


 「ううん、いいよ、色々しているかなって、思っていたし」


 「今日はダーツとカラオケ行ってきたよ」


 「えー、いいなあ!」


 「そっちにだってあるでしょ」


 「あると言えばあるけど、夏帆はあんまり行かないから」


 「そうなんだ?夏休みとか一緒に行こうよ」


 「うん、ねえ?」


 「ん?なに?」


 「女の子もいたんじゃないの?」


 「あーいたって言えばいたかなあ」


 「悠君のことだから、女の子に人気ありそう」


 「ないない、俺のこといいなんて思うのは夏帆くらいだよ」


 「ほんと?なんか不安になっちゃうよ」


 「ならなくていいよ、全然何もないから」


 「そうなの?」


 「うん、そうだよ」


 「ごめんね、なんかこんなこと聞いちゃって」


 「ううん、いいよ、やきもち焼かれるのってちょっと憧れていた」


 「そうなんだ、面白いことに憧れるんだね」


 「だって、それって俺を好きでいてくれるってことだから」


 「あ、そっかあ、そういう風に考えるんだね」


 「うんうん、そっちこそ今日は何をしていたの?」


 「夏帆は、掃除したり、お料理したり、ゲーム実況みたりかなあ」


 「へー料理とかするんだ?」


 「うんうん、下手だけどね」


 「食べてみたいなあ」


 「今度会えたら、ちょっと作ったりしたいね」


 「美味しそうだ」


 「そうだといいな」


 「学校は明後日から?」


 「夏帆のところはそうだよ」


 「俺のところもそうだよ、明日は課題やらなきゃ」


 「あ、うん、そうだ、夏帆、東京の大学目指そうかな」


 「え?本当に?」


 「うん、福島ってあんまり大学なくて、東京なら色々あるでしょ」


 「夏帆が着てくれるならめちゃくちゃ嬉しいよ!」


 「今日、東京の大学を色々調べていたんだ」


 「そうなんだ、大学かあ、俺はサッカー推薦が取れたら進学したいかな」


 「え?すごいね、そんな進学かあ、夏帆みたいな一般人とは違うんだね」


 「俺も一般人だよ、でもうちの高校全国出たこともあるし、けっこう強豪だから、枠はあるみたいなんだよね」


 「そうなんだ、頑張ってね!応援しているよ」


 「ああ、ありがとう、そんな風に言ってもらったら嬉しいよ」


 「なんか、すごい人と付き合ったのかな?夏帆」


 「全然すごくないから」


 「悠君は夏帆の一番大切な人だから、ね」


 「ああ、ありがとう、夏帆」


 「うん、今日も寝落ちしてもいい?」


 「いいよ、明日は俺何も予定ないからさ」


 「うん、夏帆もお出かけはしないかな」

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