さつき
待ち合わせの時間は12時なのに12時15分になってもまだ来ない。
「あいつら何しているんだろ」美紀が苦情を入れる。
「ほんとだよね、女子を待たせるなんてありえないよ」さつきも同意見だ。
少し待っていると男子が3人歩いてきた。お調子者の
「ごめんごめん」
「ごめんじゃないよ、まったく」美紀が竜馬に怒りをぶつける。
「いやあ、色々と事情が」
「まあ、しょうがないよ、ね美紀」さつきが助け舟を出す。
「えー、まあ、15分くらいだけどさ」
「ほんと、ごめん」竜馬が真剣な顔で謝る。
「まあ、いいわ、行こう」
加藤
5人が向かったのは池袋駅近くのダーツのお店だった。
1ゲームごとに小銭を賭けあってやるために白熱する。
3時間のプレイ時間があっという間に過ぎる。
勝敗のランキングだと1位が竜馬、2位が悠、3位がさつき、4位が翼、5位が美紀だった。
さすが竜馬は強いとみんなから称賛される。竜馬はたまたま調子が良かっただけだよと謙遜する。
そのまま、カラオケに流れる。
カラオケで順番に歌っているうちに、さつきが悠の隣に座った。
「悠って、あまり遊びに来ないよね」
「ああ、俺は部活あるから」
「そうだよね、サッカー部だっけ?」
「ああ、そうだけど」
「なんか頑張っているって感じでいいね」
「そうかな?俺にとっては普通のことだよ、小さいころからずっとだし」
「悠って恋人いるの?」
「え・・・恋人かあ」
「あーいるんだ?」
「うーん、いるっていうのかな、分からないかな」
「どんな子なの?見せてよ」
「え、いや、やめておくよ」
「ずるい、見てみたいな」
「あー、じゃあ雰囲気だけ」そう言って夏帆の写真を見せる。
「わお、めっちゃかわいいじゃん」
「でも、遠距離なんだよね」
「そうなんだ?会ったことないの?」
「うん、まあ」
「へー、会えないんじゃ、なんかつまらなくない?」
「そうかもね」
「ね、近くにいる人と付き合おうとか思わないの?」
「え、そんな都合よくいないよ」
「た、例えば、私とか」
「え、さつきと?」
「だ、だめかなあ」
「だめとかじゃないけど、この子いるし」
「そうなんだ?だめじゃないの?」
「さつきは美人だとは思うけどさ」
「ありがとう、私はいつでもいいんだ、悠なら、私都合のいい女だからね」
「あ、うん」
丁度、さつきの歌う順番になってマイクが回ってくる。
カラオケは夜7時くらいまでいて、そこで解散となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます