告白
少しずつ眠くなってきてはいるが、まだ寝るのはもったいない気もする。
動画サイトを観始める。少しだけ観ようと思ったが、見始めると無限と言えるほど動画があり、止まらなくなる。
どうにか一区切りと思った時にはもう2時になっていた。昼からいつメンと遊ぶ予定だから、10時には起きないといけない。
寝るか。そう思って寝る準備をする。イヤホンからはまだ夏帆の寝息が聞こえる。
通話はそのまま切らずに横になって目をつぶると、すぐに眠ってしまった。
朝8時には夏帆は目が覚めた。特になにもする予定はなかったが、昼夜逆転するのも嫌だった。
イヤホンからは悠の寝息が聞こえる。
悠君、つないでくれていたんだ。少し幸せな気持ちになる。
今日は遊ぶって言っていたけど、起きなくて大丈夫かな?
「おーい悠君」小さな声で呼んでみる。何時に起きるか聞いておくのだったと後悔した。
夏帆は悠の写真を見ながらほほをつついてみる。
悠君、なんだか近くに感じるけど、遠い所に住んでいるんだよね。夏帆も東京とかその近くに住んでいたらなあ。
夏帆はSNSの反応を見ていた。いつメンの木村 葵(あおい)と小鳥遊(たかなし)なごみの投稿にはなるべく早く反応していた。
今日はこれといった更新もなく、色んな人の投稿を見て回った。
同じ高校生でもすごくおしゃれな子もいて、参考になる。みんな可愛いなあと改めて思った。
夏帆なんて全然可愛くないよ。悠君もお兄ちゃんもお世辞を言っているんだよね、多分。
そんなことを考えているうちに、悠が目覚めたようだ。
「ん、夏帆?」
「あ、悠君、おはよう」
「ああ、おはよう、つなげていてくれたんだ」
「うん、悠君も寝落ちしてくれたし」
「なんか愛されているような気がするよ」
「夏帆は、悠君のこと、好きだよ」
「え、本当に?ありがとう、俺、夏帆のこと好きだよ」
「え、嬉しいです、なんかこんなこといきなり言ってごめんね」
「謝ることないよ、俺もすごく嬉しいんだ」
「本当に?」
「ああ、良かったら、付き合ってくれないかな?夏帆」
「あ、はい、夏帆で良かったら、付き合ってください」
「これで、俺たちは恋人だね、夏帆」
「うん、なんか恥ずかしいよ、実際会ったら、がっかりするかもだよ?」
「そんなことないって、夏帆」
「そうかな?夏帆、絶対重いよ、メンヘラだよ、多分」
「受け止めるから、俺が」
「うん、ありがとう、なんか幸せだな、夏帆」
「ああ、付き合ったんだからデートしたいな、夏帆と会いたいよ」
「うん、会いたいね」
「早くても夏休みなのかなあ」
「そうだよね、土日もサッカー部あるもんね」
「うーん、そうだなあ」
「そういえば時間は大丈夫なの?」
「あ、やばい、そろそろ用意しなきゃ」
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