兄妹
「悠君かあ」
夏帆はベッドの上に置いてあるぬいぐるみを抱きしめながら悠のことを考えていた。
私のことどんな風に思ったかな?通話系アプリやっているなんて軽いとか思われたかなあ、あ、でもそれは悠君も同じか。
LINEしてみようかな・・・でも、あまり送ると重いって思われるな・・・。
スマートフォンをじっと見つめる。
悠の写真を表示してみる。
かっこいい、背も高いし、サッカー部だし、周りの女の子にも人気がありそうだ。
私なんて相手にしないかなあ。
考えていると玄関のほうで音がする。どうやら兄が帰ってきたようだ。
「お兄ちゃんおかえりなさい」
「ただいま」夏帆の兄は高校3年生だった。
「ねえねえ、聞いてよ」
「あー、まだ帰ってきたばっかりだぞ」
「まあ、後でもいいけどさ」
「なんだ?いいことか?」
「うーん、そう言われると、なんでもない」
「なんだよ、気になるだろ」
「この人どう思う?」悠の写真を見せる。
「お、かっこいい!彼氏か?」
「彼氏じゃないよお、ただの友達」
「友達かあ、発展する可能性もあるんじゃないか?」
「どうだろうね、夏帆はそんなに可愛くないし」
「夏帆は自分が思っている以上に可愛いから安心しろ」
「そうなのかな?」
「ああ、そうだ、話はそれでよかったら俺は風呂に入る」
「あ、はい、お兄ちゃん」
「一緒に入るか?」
「うん、って言ったらお兄ちゃんのほうが照れるくせに」
「ああ、なんでもない」
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