交換

 「夏帆はどんな人が好き?」


 「え、好きな人かあ、優しい人かな?」


 「そうなんだ?」


 「うん、悠君はどんな子が好きなの?」


 「俺かあ、そうだなあ、俺を必要としてくれる子かなあ」


 「そうかあ、かまちょな子がいいの?」


 「かまちょいいね!うさぎさん的な」


 「夏帆も相当かまちょだよ、えさをくれるのかな?」


 「たくさんあげるよ!大丈夫」


 「ほんとに?依存しちゃうよ」


 「いいよ、いいよ、でも、部活あるときとか、帰ってくるの10時くらいになるからね」


 「そのときはおとなしく待っているからいいよ」


 「かわいいな、夏帆は、なついているの?」


 「なついているよお、声かわいいもん」

 

 「かわいいって言われても、あ、雰囲気の写真とか交換しようか?」


 「え、夏帆はかわいくないよ?」


 「俺だってかっこよくないよー」


 「じゃあ、加工で盛っているやつなら」


 「うん、俺もだいぶ修正入っているやつで」


 2人とも写真を送り合う。


 「え?夏帆めっちゃかわいいじゃん、惚れたわ」


 「そんなことないよ、写真だからだし、悠君こそかっこいいよ、サッカー部だしもてそうだよ、ほんとに」


 「もてないわ、もてたらここにいないし」


 「そうかな?クラスの女子とか悠君好きな子とか絶対いそう」


 「夏帆こそ、クラスの男子とかにもてそうだよ」


 「あ、夏帆は女子高だから、男子はいないんだよね」


 「そうなんだ?女子高かあ」


 「うんうん、中高一貫だから、あまり男子と話せなくて」


 「そうなの?なんか普通に話しているけど」


 「電話だからだよ、実際に会ったりしたら多分無言だよ」


 「そうなんだ?夏帆に会いに行きたいな」


 「ありがとう、でも、遠いよ」


 「うん、でも、東京から福島なら行けない距離じゃないし、清掃のバイトとかたまにしているから、高速バスのお金くらいあるよ」


 「え?来てくれるの?」


 「夏帆にだったら会いたいな」


 「うーん、もっと仲良くなってからね」


 「あ、うん、まあそうか」


 「でも、嬉しいよ」


 「良かった」


 「ね、今日はこのくらいにしよ?」


 「あ、うん、LINEするから」


 「あ、待ってます、LINEは秒で返すよ」


 「そっか、俺はちょっとだらしないところあるかも」


 「了解だよ、じゃあ、またね」


 「うん、またね」


 通話が終わった。


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