　悠は手元のＬＩＮＥを見る。

　「あ、きたきた。夏帆ってこう書くんだね、名前」

　「こっちも来たよ、悠君はこういう文字なんだね」

　「良かったらＬＩＮＥで話そうか？」

　「あ、うん、今日はあと少ししか話せないと思うけど大丈夫かな？」

　「いいよ、ＬＩＮＥでかけ直すね」

　「はーい」

　通話系アプリのほうは一度終了して、ＬＩＮＥから通話をかける。

　「もしもし、夏帆？」

　「はい、こちら夏帆です」

　「はいはい、こちら悠です」

　「悠君って声ちょっと高いよね」

　「え？そうかな？あまり気にしたことなかった」

　「高いよ、初めて聞いた時女の子かなって思ったよ」

　「名前が悠だからじゃない？」

　「うーん、名前がちょっとかわいいとは思ったけど」

　「ちょっとだけコンプレックスなんだよなあ、この名前」

　「え、そうなの？夏帆は悠って名前好きだよ」

　「そうかな？夏帆がそう言ってくれたら嬉しいけど」

　「ほんとほんと、悠君っていう名前だから通話かけたんだよ」

　「おお、それは嬉しいな、自分の名前が好きになりそうだ」

　「悠君ってきょうだいいるの？」

　「俺はお姉ちゃんがいるよ、夏帆は？」

　「お姉ちゃんがいるんだ！夏帆はお兄ちゃんがいるよ」

　「お兄ちゃんか、かっこいいお兄ちゃんだと焼きもちやくかなあ」

　「え？お兄ちゃんに？全然普通な感じだよ」

　「そうなんだ？」

　「うんうん」

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