ファーストコンタクト

 「こんにちは」


 「こんにちは」


 どちらからともなく挨拶をする。


 「かほさん、か、同じ年かな?俺は高1だよ」


 「あ、同じです。私も高1だよ」


 「おー偶然だあ、なかなか同じ年っていないんだよね」


 「うんうん、あまりいないよね」


 「かほさんは、何か趣味とかある?」


 「あ、夏帆でいいよ、夏帆はね、そうだなあ音楽聴いたりとか?あまり趣味ないかも」


 「かほね、了解。俺も悠でいいよ、そっかあ、音楽かあどんなの聴くの?」


 「ボカロとか歌い手さんとかかな?ハルカ君は何か趣味とかあるの?」


 「悠でいいのに、君とか、ああ、俺はサッカー部だから、毎日遅くって部活が趣味みたいなものかなあ」


 「ハルカ君サッカー部なんだ?かっこいい!大変そうだね、呼び捨ては緊張するよお」


 「かっこいいかは分からないけど、小学校の時からずっとやっているから、なんか生活の一部みたいな?」


 「そうなんだね、なんかもてそうだよ」


 「全然もてないって、かほのほうがもてそうだよ、声とかかわいいし」


 「もてません、保証するよ、声だって夏帆のは全然かわいくないよ」


 「かほって身長どのくらい?俺は176センチだよ」


 「わーハルカ君けっこう高いんだね、夏帆は153センチしかないよお」


 「え、153センチとかめっちゃいいじゃん、そのくらいの身長の子かなり好きなんだけど」


 「ありがとう、なんかハルカ君と話しているとほめられてばっかりで、ちょっと照れるよ」


 「かほがいい子だから自然にほめたくなるんだよ」


 「え、ほんとに?誰にでもそんなこと言ってない?」


 「言ってないよ!かほ、毒舌だな」


 「あ、ごめん、ごめん、あんまりほめるからだよ」


 「そうかな?かほってどこに住んでいるの?」


 「私は田舎だよ、福島県」


 「あ、そうなんだ?俺は東京です」


 「えー都会だ、いいなあ」


 「そうかなあ?ずっと東京にいるから良く分からないよ」


 「都会だよー、憧れるなあ」


 「そんなに憧れているなら、来たらいいのに」


 「遠いよお、それに親が多分許してくれないかな」


 「そっかあ、ねえ、LINEとか交換できる?」

 

 「LINEかあ、普段こういうのだと交換しないけど、ハルカ君なら大丈夫かなあ」


 「大丈夫だよ!俺めっちゃ善良な人だから」


 「自分から悪人ですっていう人いないよ」


 「それはそうだけど」


 「でも、色々とほめてくれたし、いいよ、交換しよう」


 「あ、良かった、QRコード送るね」


 「はーい、お願いします」

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