第2話

なぜだ!!

なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ

なぜなんだ!!


俺の頭の中は4人が出ていった扉を見ながら混乱していた。

ガロンはわかる。

俺が追放したのだから出ていくのは当たり前だ。だが、残り三人については解らない。

三人共俺がガロンを追放したいと相談した時、三人共笑顔で了承しさらには是非そうすべきだと賛成してくれたではないか?

なぜだ?

どこで間違えた?


コンコン


答えの出ない自問自答をしていると扉がノックされ、俺の意識は現実に引き戻された。


帰ってきた?

ああ、帰ってきたんだ!!

きっとさっきのは悪ふざけだったんだ!!

ガロンの最後の足掻きに乗って俺の気を引きたくて三人が共謀したに違いない!!


俺は笑顔で扉を開いた。


だが、次の瞬間俺の笑顔は固まった。

扉の向こうにいたのは三人の美少女ではなく筋肉ムキムキの男三人だったからだ。


あれ?

三人は?

美少女三人らどこかな~?


俺は男達をスルーして回りを見渡す。

だがどこにも彼女達の姿はない

盗賊のナナも魔法使いのリンスも神官のシアラも誰もどこにもいない。


がっくりと肩を落とすと目の前の男達のうち一人が口をひらいた。


「炎帝のリーダーセスで間違いないか?」

「え?あ、はい、俺がセスですが、おたくは?」

「俺達は冒険者ギルド本部の者だ、此度冒険者パーティー炎帝のパーティーメンバー内でパーティーの女冒険者に対し過度な接触、暴漢未遂、さらにはこれまでの功績に虚偽のものがあると密告を受け、冒険者ギルドは正式に冒険者パーティー炎帝に対し監査をいれることを決定した。」

「へ」

「密告者からの情報では今までの炎帝の功績はパーティーメンバー全員での物となっているが、実際はパーティーリーダー以外の物であり、リーダーはなにもしていないと報告を受けている。また、昨日炎帝が受けたクエスト〝水竜討伐〟を行う際に町から水竜が出現した湖への道中、討伐の最中、帰路全てをギルド員が遠方より観察を行ったがパーティーリーダーであるセスは何もしていなかったと報告を受けている。荷物を運んだわけもなく、戦闘も他のパーティーメンバーが全て行っていたと、報告を受けている。さらにパーティーメンバーの女冒険者を無理矢理連れ込み宿に連れ込もうとしたとの証言も得た。これを受けギルドは冒険者パーティー炎帝に対してパーティーリーダーの変更とセスのパーティー追放を打診すべきとなったのだが‥‥ 」


男は早口に捲し上げると急に黙り込んだ。

しかし、俺はそれどころではない

たしかにこの間の水竜討伐のクエストでは俺はなにもしなかった。

だがあれはシアラが


「本日のクエストはセスは休んでいてください、荷物はリンスのマジックバックに入りますし、今回の相手は水竜です。火の技が得意なセスとは相性最悪ですし、雷の魔法が得意なリンスがいれば大丈夫ですから」


と言ってくれたから後方で待機していたのだ。

道中の野営だって盗賊のナナが


「今日は私がやっりまーす!!あ、でもでもシアラとリンスはちょっと手伝って!!セスとガロンは休んでていいよー!!」


と言ってくれたからで、


これはまさか‥‥‥?

俺はまた思考に入ろうとすると男がまた口をひらいた。


「先ほど他のパーティーメンバーに出くわしてな、お前以外のパーティーメンバーは抜けたそうだな?これを受けて今しがた本部と連絡をとって決まったことだが、ギルド規約に基づき冒険者パーティー炎帝は解散、現パーティーでリーダーであるセスには先ほど述べた嫌疑がありが、元パーティーメンバーである三人からの証言からこれを確定し、冒険者の証を剥奪する。」


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