仲間から追放された戦士は後に‥‥

伊佐波瑞希

第1話


「ガロン、今日をもってお前をパーティーから追放する」


ここはギルドのホームにある応接室、俺はそこに置いてあるソファーに座り足を組ながら目の前で呆然と立っている戦士のガロンを見ながら宣言した。俺の両脇には魔法使いのリンスと盗賊のナナそして後方には神官のシアラがいる。そして今追放宣言をした戦士ガロン、こいつを入れた5人でSランクパーティー「炎帝」として活躍していた。


そして俺の側にいる三人は俺の恋人にする予定だ。なかなか口説けないが絶対落として‥‥ウシシ!!


そして戦士ガロン、こいつは今までホントに役にたっていた。ダンジョンや魔物討伐の際には先陣をきりある時は壁役にもなる大変役にたつ奴だ。皆がこいつを慕い、尊敬した。。俺はそれが気にくわなかった。

このパーティーのリーダーは俺だ、なのに何か決める際はいつもいつもいつもいつも、こいつの意見が尊重される。

なにか相談があっても皆俺より先にこいつに聞く、俺にはそれが我慢できなかったのだ

だからまずパーティーメンバーからおとすことにした。三人とも俺の考えに同意してくれた。

そして漸くガロンを追放することができる。

俺が絶望に染まるガロンの顔を想像し、笑みを浮かべながらガロンを見つめる。


さぁ、早く絶望に染まる顔を見せてくれ!!


すると漸くガロンが口を開いた。


きた!!なにを言う?

泣き言か?それとも追放しないでくれという懇願か、はぁ、楽しみだ!!


だが、ガロンが口にしたのは俺が想像しえない言葉だったた


「分かった、今日限り俺はこのパーティーを抜ける」

「え?」

「みんな、いくぞ」


ガロンはそう言うと踵を返して歩いていった


え?俺


「「「はーい!!!!」」」

「なっ!!?」


疑問に思っている俺の両側と後方から声が聞こえた。驚く俺は声のしたほうを見る、すると俺の側にいた三人がガロンについていくように歩きだした。


「お、おい!!なんで‥‥」


俺は無意識に手を上げていた。

三人は入り口の前で止まりくるりと俺のほうを向いた。


ほ、冗談か


俺は腕を下ろして一息つこうとすると盗賊のナナが口を開いた。


「バイバイ、セス!!この前からなんか気持ち悪かったから離れる事ができて嬉しいよ!!」

「え?」


次に魔法使いのリンスが続ける。


「ホントよ!!なにが「俺が守ってやる」よ、キショっ!!あぁ精々した!!」

「なっ!?」


最後に神官のシアラが


「あ、一応言いますね、私達三人は今をもってパーティーを抜けさせて頂きます。脱退金として金庫にあったパーティー運営費は全て貰いましたね?貴方はいつもガロンや私達ばかり働かせて自分は後方でのんびりしてましたからいいですよね?あと今から私達は赤の他人なのでこれからは気安く話しかけないでくださいね?それでは」

「「「さよなら~」」」


そして三人はガロンと共にホームを出ていった。

俺は膝から崩れ落ちた。


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