第3話

体が光に包まれた。

それと同時に体が軽くなる気がした。

もちろんクリーンヒットした胴体はかなり軋むし、完全復活ではないのだろうがその場に座り込む事は防げた。


とりあえずゴブリンの処理をする。

棍棒を取り、耳で良いのだろうか、とりあえず耳を剥ぎ、枯れ木を集めて火をつける。


その時、前に殺したゴブリンの肉片を炙ってみたが、筋が多くかなり硬い、なんと言ったら良いのだろうか、段ボールを噛んでいる様な。そこから腐った酸味のある生暖かい肉汁が染み出してくる。

かなり吐きそうだが、散々吐いた後である、どうせでるのは胃液のみ、腹をくくり噛み続けるが...ギブアップである、噛みちぎれないので嫌な味が染み出してくるだけである。


とりあえず枯れ葉をかけ、上から踏み鎮火してから落ち着く。

下は紫色の血液だらけ、バックには飛び出た棍棒が二つ手にはナイフ、ここが海外だったら何かの撮影と思われるだろうか。


そんなことを思いながら北へ進む。

街は待ってくれるが、太陽は待ってくれない。

上に昇り始め、右手にあった太陽もほぼ上にある。方向だけ間違えない様にしながら進む。3時間くらいは経ったんだろうか、前はこう言う道を3時間も歩いてたらヘタっていたと思うのだが、どういうわけだか体が動く。


その動く体に任せ、今度は慎重に進んでいく、音を聞き、進めば時折ぐぎゃだのバキッなど色々な音が聞こえて来る。それを遠回りしたりその場に伏せてやり通したりする。幸いゴブリンは鼻があまり効いてないみたいなので助かる。数は1〜3匹、2匹以上の数とやれば確実に死ぬだろう、それも踏まえて慎重に進んでいく。

心はかなり静かである。死ぬかもしれないの瀬戸際だが、どうしても邪神との遭遇と比べる自分がいる。あの二人はどうしていると考え


その場に吐いてしまった、あまり音を立てるのは良くないので気持ちを切り替えようとするが頭から離れない。親友とも言えた二人を見捨ててしまった考えが頭から離れない。なぜあの時近くを探さなかったのだろう。もしかしたら近くに居たかもしれない。最初から見捨てる気ではなかったのか。

何故、何故なのか自分が1番だからか

考え方をしていると思考は鈍る。

深呼吸をし、見捨てた2人を背負って生きるなど適当な御託を並べ、もう一度深呼吸をし、吐きたがっている胃をたたき、その衝撃で吐きそうになる。


落ち着こう、落ち着こうと体、頭に言い聞かせ、歩みを止めない様に足を動かす。

耳を働かせ、あらゆる兆候を見逃さないように。


あれから2時間進んだ、まだ森を抜ける気配が無いのだが。これはかなりやばいのだろう。牛歩の進みとはいえ合計で3時間半くらいは歩いている。勿論遠回りも含めて5キロくらいは進んでいるはずなのだが一向に端が見えない、北に進むのは間違いだったのだろうか。そろそろ日が傾き始めたのだが。目の前がキラキラしている。木の隙間から漏れる日の反射、という事は


川である。飲み物も水筒に入っていた少量のお茶とペットボトルが一本。

水分が無くて死ぬんじゃ無いかなと思ってたくらいなのでかなり助かる。

まずは魚がいるか、幸い川の近くまで来ると日の反射はそこまででなく、川は透き通っており魚が泳いでいるのが見える。飲めない水では無いということがわかった。

次はろ過装置を作るのだが

用意するものはペットボトル、布、砂、砂利、小石、ティッシュそして木炭である。

木炭なんて持ってないので、焚き火の後の黒く燃え残ったカスで代用...できるのかなぁ

まず血のついたナイフを洗って、ペットボトルの底を落とす。キャップを外して、穴を開ける、ナイフでやるのだが真ん中に小さい穴しかできなかった。

飲み口にティッシュを詰めてキャップを閉め、底の方から洗った小石を入れる。指先くらいの小石をある程度入れ、そうしたらしっかりと詰まる様に振動を与えて、その上に燃えかす、灰はあまり良く無いので洗って落として入れる、その上から砂利を引いて、砂を敷き詰め、布を被せる、これで多分ろ過してくれるはずなのだが、いまいち実感が湧かない。

川の水を入れ水筒に刺し近くの木の根本にロープで縛って置いておく、その間にいい感じの木が無いか探していた。

細く、そこそこ長い、丈夫な腐ってない奴を探しているのだが中々に見つからないと思っていたのだが、若木が目の前に一本生えている。手を合わせ頂くこととする。根本を持ってきた石で叩く。斜めに手を打ち付けない様にしながら。

石が尖ってないので時間がかかるがナイフとかをつかって切れ味が落ちたりするよりはいい。ゆっくりと、斜めに断ち切っていく半分より手前まで来ると進まなくなってきたので反対から体重をかけ、折る。そうすると叩いていた反対側の木の皮が折れまいと繋がっているのでそこを叩いて取る。

2mほどだろうか

竹の様な長さで、不自然に細いのだが好都合である。

1m半分のところで先ほどと同じ要領で折り、根元の方を振り回す。

折れる様子も無いし良いだろうと。後は明日日光浴させるだけ。

今日の晩ご飯は魚である。

大きい石を持ち川から出ている石に向かって投げる。そうすると魚が気絶して川から浮いてくるのである。原理はわからないがそうなのである。腹ワタを抜き、焼く。ゴブリンよりちゃんとした美味しい?食料に泣きそうになる。完食し骨は埋め、はらわたは川に投げ、これからの夜のことをどうするか悩むのであった...











[邪神から逃れられたもの]

[幸運]

[見捨てたもの]

[レベルを与えられた者]

持ち物

ナイフ ロープ 軽食 ゴブリンのこん棒

着替え1日分 細長い木 ろ過装置

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mas galf 入間真人間 @uenoakihiro712

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