第2章:セシリア、10歳。侯爵子息を適当にあしらう。

プロローグ

第1話 勝手が違う

 


 政治派閥『革新派』。

 モンテガーノ侯爵家はその派閥の重鎮である。



 王城での社交パーティーから、一週間後。

 その侯爵家がとりわけ目をかけている貴族の1人が夜会が開催した。


 侯爵家当主・グランは、その夜会に主賓として招かれているため、その会場にいつものように参じる事となった。



 夜会における主賓とは、いわゆる主役。

 特別な何かが無い限り、その夜会に呼ばれた貴族達の中で最も格の高い者が選ばれる。


 『革新派』には、彼よりも爵位が上の家が1つだけ存在するが、今日その家はこの夜会には参加していない。

 それ故の主賓扱いである。



 そういう事は往々にしてある事なので、グランも慣れたものだった。

 しかしその日は少し、勝手が違った。


 ――この日、グランは主賓でありながら周りから遠巻きにされていた。

 しかしその事に彼自身が気付いたのは、『事』が発覚した後だったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る