「君の名は希望」(乃木坂46)

 僕の中ではこの曲が最初の一曲なのですが、胸熱だったのは生駒里奈さんの卒業の時の秋元康さんのメッセージです。

 僕はこの一曲から乃木坂を追い始めて、「制服のマネキン」よりも先に「君の名は希望」を聞いたことになります。聞いたのもネットラジオが最初で、それからYouTubeでMVを確認しました。なのでとにかく、僕の中では乃木坂46と生駒里奈さんがものすごく強く結ばれています。

 この曲もやはり情景が浮かぶ曲で、校庭に立ち尽くしている少年の足元に長い影が差しているイメージが最初です。この場面は僕の中ではやや現実的な現象を超越していて、ものすごい強い日差しの中で、しかし影は西日に浮かび上がるように長い。その上でその影が離れたところにいる女の子の足元まで伸びている。歌詞の内容ではボールが重要なのですが、影の方がより強く僕のイメージに焼き付いています。

 この曲はどこか幼さというか、未成熟さがあって、それも乃木坂46の曲の中でも一段と幼い。僕には小学校が思い浮かんで、子どもっぽい無邪気さが含む残酷さと、それと対極にある優しさと、優しさを扱うことに苦労する、優しさから芽吹く感情を持て余す、という心理が、幻の光景として目の前に展開されます。

 この曲はずっと、僕の中で確かな領域を占め続けると確信があります。

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