第19話 セヴランの研究


 セヴランがのそのそとオレに近づいて来た。


「あの……マサキさんちょっと話しておきたい事があるのですが……」


「おお、セヴランもしかして例のアレの事じゃのう?」


「ハイ、ではマサキさんボクの研究部屋へ行きましょう」


「えっ、研究? 何の?」


「まあ、それは後のお楽しみっちゅう事でのう」


 ちょっと気になる。何だ?

鑑定スキルでセヴランのステータスを確認してみる。


 ———————————————————————


 


 名称 セヴラン・ドルセン

 種族 人族

 クラス 薬師

 Lv12


 HP58 MP42 SP32


 攻撃31 防御27 速さ25


 装備

 無し


 スキル

 薬学、調合、合成、回復魔法、毒魔法ほか


 加護 :なし

 称号:なし

 進化:条件を満たしていません


 ———————————————————————


 


 へえ、薬師、薬学ねぇ〜

 意外だな。セヴランって研究者だったのか


 聖教国から来た連中を村長の家に残してオレとクリフさん、セヴラン、村長はセヴランの家の隣にある部屋へと移動した。ガチャッと扉を開けると正面に机があり、左右に棚が置かれている。


「ふむ、セヴラン君が研究しているのは薬学か」


 キョロキョロとまわりを物色すると、本棚に置いてある参考資料を勝手に取り出し、目を通し始めるクリフさん………アレっ、そういえば狩人の彼も薬学の知識があるんだっけ


「ボクがマサキさんに見せたかったのはコチラです」


 机の上には液体が入った瓶が2本置いてある。

 1本は水色の液体が、もう1本は青い液体が入っている。


 アレ、コレって白狐からもらった回復薬ポーションじゃねえか?

 そういえばセヴランにも何本かあげたんだっけ?もうすっかり忘れちゃってたよ。


「ボクが負った傷は致命傷だった。腕は噛みちぎられ腹は引き裂かれ内臓が飛び出していた。ボクは持っている水色の回復薬ポーションでは治せないほどの重症を負っていた。もしあのままマサキさんに出会わなければボクは確実に命を落としていたんですよ」


「この村ではもう何年も回復薬ポーション作っとるんじゃがワシゃこんなに濃度の高い回復薬ポーションは見た事がないぞ」


「やはり村長もボクと同じ反応ですね。

 これは凄いですよ。なにせ、簡単な部位欠損まで治すことが出来る奇跡レベルの回復薬ポーションですから」


 そ……そうだったのか全然知らなかったよ

 彼らから引き続き回復薬ポーションの研究をさせて欲しいと言われたけど別に止める理由なんかかないので………とりあえず「しっかり励んで」と言っておいた。


その後オレ達は3人を村へ連れて行き、ヨッシーは彼らと別れの挨拶をした後、魔女っ子アンリの家へと戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る