第20話 熊の出没に注意!
「なぁ、あそこにちょうどいい岩陰があるでーっ!
せっかくやしここで休憩にしようや」
ヨルム村を出て1時間ほど山道を歩くと森林の中に休憩するのにちょうどいいスペースがある所を見つけたのでとりあえず座って休憩する事にするとヨッシーはゴソゴソと
「むむ、コレは何だ不思議な匂いがするな?」
「ああ、グミね。ぷにゅっとした果実の食感がいいよね」
「ほかにも洋菓子とかスナック系もあるで」
「ああ、大丈夫だよありがとう。それにしても木幡さんの
「ヨッシーでええよ。おう、コレがあるとな元の世界で持っとった所有物はすべてこっちで使えるねんで!
しかもコピー機能付きやしな〜」
なんだよソレ〜っ!いいな〜
オレが持っている魔法袋の上位互換ってとこか
◇
休憩後、オレ達はまた山道を歩き出すこと1時間——
「あ……足裏が痛い!クリフさん足疲れないスか?」
「うむ、私は20年ほど狩人をしているので山歩きはもう得意分野でな」
「狩人スゲえな?」
「別にスゴないわ! お前が軟弱なだけや」
休憩後、2時間程歩くとようやく山の尾根にたどり着いた。周りの景色を見渡すとそこに「絶景」があった。
「こりゃスゴイなぁ山頂から見る景色は登った人にしか味わえへん醍醐味っちゅうヤツやな!
ここまでたどり着くのに協力してくれたあの商人や森の奥に住んどった魔女っ子に感謝せなあかんなぁっ マサ坊もそう思うやろ」
「そうだね」
「そうやろう!クリフはどないや」
「ふむ、コレはまるで神の描いた絵を見ているようだ。もし地元の村に残っていたらこんなに素晴らしい光景を目にする事はないだろうなあ、私はマサ君とともにここまで来ることができて良かったと思う」
山を降りると綺麗な川が流れているのが目に入った。
魚も泳いでいるようなので、問題はなさそうだ。
ペットボトルに水を補充して、歩いて火照った足を川につけて癒す。
うあー気持ちがいい。
「うむ、マサ君たちも疲れている事だし、ここで休憩といこうか」
ヨッシーが
「よっしゃほんならここでバーベキューにしよか?」
「ヨッシーそれはなんだ?」
「美味いで〜っクリフは楽しみにしときいや」
「ヨッシー野菜とか肉とかあんの?」
「おう、まかせとき!」
ヨッシーは
ヨッシーってホント何でも持っているよな。
自分が所有している物が出せるっていう事はもしかして自動車とかバイクも可能だったりして?
「ふむ、その道具を使って火で料理する野外料理なのか?それならこの世界にも串焼という似たような食べ物があるぞ」
「青空の下で焼く美味しい肉ときたらお供はコイツやろ!」
ポイっとオレ達に向けて缶ビールを投げた。
「うお、ビールじゃんか?」
まさか異世界で缶ビールが飲めるなんてな
こりゃヨッシーといて大正解だね!
オレはクリフさんに缶の開け方を教えると彼は何故か缶をジーッと見つめだした。
「むむ、バカな!冷えたエールだと?
しかもコレはフタが開けやすいように出来ているのか
何やら不思議な作りの缶だな?」
「おう、ほんなら3人で写真撮ろか?」
「シャシン? それは一体何だ?」
ヨッシーがスマホで写真を撮って見せるとクリフが信じられないと言いたげな顔で写真をマジマジとみた。
「コレは一体どういう魔法なのだ? なぜこの小さな板の中に私達がいるのだ?」
うわぁ、出たよ? コレだよ?
「コレは魔法とはちゃうねんで、科学の力や」
「カ…ガク? それはなんだ? 初めて聞く言葉だな どういったものなんだろうか」
「多分こっちの世界で言うと錬金術とかそういうのに近い物なんじゃねえの?」
「ワイらの世界は魔法とかは無いけどこっちよりも科学が進歩しとるな、あと食いもんも旨いもんが沢山ありまっせ〜♪」
「そうなのか? すごいなそっちの世界は! ヨッシーから貰ったお菓子も美味しかったし、私も是非とも1度君たちの世界へ行ってみたいものだな!」
「マジで! そりゃまぁ確かにウチらの世界はこっちよりも技術が進歩していてもっと情報が発達しているけど、競争が激しく、勝つことが求められ、大人も子供も周囲に負けず引きずり落とし合いで毎日朝から晩まで忙しいクソみたいな奴隷社会だよ」
「ほんまやな、こっちの方は差別とか貧困とかあるけどみんなそんなにあくせく働いている感じじゃないわな」
「うっ奴隷社会って! そもそもそっちの世界はなんでそんなに大変なのだ?」
焼いたサーモンにマヨネーズをかけて酒で一杯
これがまた美味いんだよな。
3人でサーモンが焼き上がるのを楽しみに待っていると突然、獣道から傷ついた猫獣人が現れた。
魔法使いのような帽子をかぶり、ボロボロのローブを纏い、木の杖を持っている。
「アレはキャットマージか!」
オレ達はすぐに持っている武器を構える。
それにしてもこのキャットマージよく見ると怪我をしている。それに何かに怯えているのか辺りをキョロキョロとし出した。
「そちらの人族の方々、どうかアレから助けてはもらえないでしょうかニャ?」
「ち…小っさいな〜っ! この子人間で言うたら多分5、6歳児くらいの体の大きさとちゃうやろか?」
クリフさんが
キャットマージはそれを飲み体力が回復し再び周りを警戒し出した。
「そのアレっていうのは?」
「き……来た!」
向こう岸からバシャバシャと川を渡ってコチラに向かって来る黒く大きな物体が見えた。
出たよ。サーモンの匂いを嗅ぎつけて来ちまったじゃねえかよ!
「くっ……熊やないか?」
「あれはまさかワイルドベアか」
コイツこんなのに追っかけ回されていたのかよ!
つーかコレはかなりヤバい状況だぞ!
一応、ステータスを確認しとくか?
———————————————————————
種族 ワイルドベア
レベル25
HP420 MP0 SP0
攻撃290 守り240 敏捷221
スキル
無し
———————————————————————
オイオイマジか? こんなのに勝てるわけねえじゃん!
その時、指輪が光を放ちだすと『キャットマージを
オレは即座にYESを選択してさらに『キャットマージの眷属化に成功しました。続いて名前を付けてください』と表示が出て来た。どうするかな〜
いいや適当につけるか!
「よしっ!お前の名前は今からニーヤだ」
名前を聞いたその瞬間ニーヤは輝き出し、胸に手を当て、片膝をついてお辞儀をした。
「我が
あの深い森に住む変な子供からもらった指輪がまだチカチカと光を放っている。
テイムの指輪スッゲーなオイ!
ステータスオン
———————————————————————
ニーヤ・ゲシュタッド
レベル15
HP138
MP160
攻撃42 守り130 速さ99
スキル
風魔法、土魔法、水魔法、
回復魔法、火炎魔法、状態変化魔法
装備
魔法師の杖
魔法師のローブ
魔法師の帽子
魔法師のリング
加護: なし
称号: なし
進化: 条件を満たしていません
———————————————————————
「私の矢のえじきになるがいい」
クリフの放った矢が熊の身体に突き刺さると熊は驚いて逃げ出して行った。
「なんやずいぶんと臆病な熊やな」
「まあそれでもとりあえず何とかなったんだし
いいんじゃねぇの」
ヨッシーが荷物を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます