第34話 恐怖の宿②
リンクにはニーヤ達を頼み、オレ達はヨッシーの部屋のドアを開け、急いで彼を起こし事情を説明する。
「フランス人形みたいな少女が襲ってくるって
何やダッチワイフかなんか?
自分らムラムラしてええ夢でも見とったんとちゃうんか? そんなん男やったらベッドの上で襲い返したらんかい」
「違えよ、人形みたいなじゃなくて人形なんだよ
動くんだよ!分かんねえかな?」
「それってもしかしてアレか」
ヨッシーが真っ青な顔になって指差している窓の外にそれはいた。ニタニタと不気味な笑みを浮かべながら———
「ちょっと待てやなんやアレ聞いてへんて?」
「イヤイヤずっと説明してんじゃねえかよ」
「想像してたのと全然ちゃうやんけ」
一体どんなの想像してんだよ?
少女の人形は持っている包丁でガンガンガンと窓を叩いて部屋へ入ろうとしている。
「ここはアカン一階の入り口や」
「うむ、あそこなら広いしここよりかは安全か」
リンクがニーヤ達を連れて来たので合流してオレ達はまた走って階段を降り、一階の入り口に来た。
突然バタンと入り口のドアが開いて外から昼間に見たおかしな村人どもが押し寄せて来た。
それにしてもコイツらから生気を感じ取れない
何というかまるで誰かにでも操られている様な……
そうか昼間からずっとオレ達の事を狙っていたのか?
「クリフさん、どうやらコイツらもこの宿も全部グルだったみたいだね」
「ふむ、そのようだな。とりあえずコイツらの動きを封じなければ!」
「
ブラックがかけた魔法のおかげでオレ達のスピードが上昇した。
「行くぞチャージショット」
クリフさんの弓が村人どもにバンバン当たる。
「ニーヤ炎頼むわ」
ヨッシーに答えるようにニーヤは魔法を放つ
「
ニーヤの放った炎により村人どもは足元から燃え出した。
「よっしゃ行くで」
ヨッシーは
「うむ村人どもだけじゃなくこの宿全体に燃え出したな。今のうちにココを出るぞ」
「させんぞ。おのれよくも———」
うわ、さっきの少女の人形じゃねえか髪の毛が燃えて無くなってるし、ドンドン見た目ヤバくなってねえか? つーかこの声ここの老婆じゃねえか? でも一体どこから聞こえているんだ。マジでヤべえ!
人形と老婆がジリジリと近づいて来るぞ。
「マサ坊」
ヨッシーが二階へ行くよう合図を送って来たので
オレ達は階段へと駆け上がった。
ヨッシーは1人残ってゆっくりと後ろに下がりながら人形を引きつけると
匂いで分かったのか大鴉はそのまま口を開けて透明になっている老婆にガブリとかぶり付いた。
「ぎぇぇぇえええええええ!」
姿は見えないが老婆の悲鳴が宿中に響き渡ると
人形はピタリと動かなくなった。
「村人たちが動かなくなったニャ」
「ふむ、ならこんな恐ろしい宿さっさと出よう」
オレ達は宿を出て霧の中を走り抜けるとようやく来た道へと戻ることが出来た。しばらく歩き続け、反対側の山からさっきの場所をオレの
「大鴉が何処かへと飛んで行ったニャ」
「ふむ、それにしても今日は疲れたな」
「本当だよ特にあの人形はヤバイよ」
「結局あの老婆が姿を消してあの人形を操ってたんやろ? 目的は何やったんやろうな?」
みんなの推測をまとめるとおそらくあの老婆はフランス人形みたいなのを操り宿泊している旅人が夜寝静まった時に殺していたんじゃないかと………超コワイじゃんか普通にホラーだよ。とくにあのフランス人形みたいなの思い出すだけでゾクッとする!マジで夢に出て来そうだよ。
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