第48話 先住民族と遺跡
オレ達はハッサンに自身の身に何が起きていたのかを説明する事にした。もっと動揺するかと思いきや彼は意外にも冷静だった。
「実はコレはおかしいって思う事はありましたが体が逆らう事が出来ずにいました」
「ふむ、それは恐ろしいな!意識とは別に体が勝手に求めてしまうのか」
「風俗みたいなモンやな、財布の中が寂しくても
ついつい下半身が反応してまうってヤツや」
いやそれはアンタだけじゃねえの?
ガサッ!
何か音が聞こえたので振り向くと、いつの間にかオレ達は先住民達に囲まれていた。彼らは槍や弓を構えてジワジワとオレ達に近づいて来た。
「ソナタ達ハ何者ダ? 目的ハナンダ?」
そこへいかにも族長っぽい老人がオレ達に歩み寄って来たのでエルサ王女とハッサンが対応してくれた。
この密林の近くに遺跡があるらしくその奥に眠る秘宝を彼らは先祖代々、邪悪な者達から守っているらしい、エルサがその秘宝をもらって行っても良いかと聞くと彼らはOKしてくれた。どうやら先程の
「ワレワレニハ古クカラ伝エラレテイル伝説アル。突然コノ地ニ聖ナル力ヲモツ英雄ガ現レテ悪魔ヲ退治スル……我ラハソノ者タチガ現レルマデ秘宝ヲ守ッテイタノダ!」
「なるほど……でしたら秘宝は
「えっ何? じゃ秘宝を見つけに遺跡へ向かうの」
「ハイ、そうですよ。みんなで行きましょう」
「なぁ姫さん悪いけどここいらでちょっと休憩タイムしようや」
ヨッシーは
すると先住民達もお礼に乾燥したパパイヤやバナナをみんなに配り出した。
「それにしても遺跡探索!面白そうですニャ」
「うむ、新たな冒険の幕開けと行こうじゃないか」
「ホンマや!ワイら探検隊やで!」
オレ達は先ずエルサ王女を説得して、彼女とハッサンには先住民達の住処で待ってもらう事にした。
もちろんエルサ王女は不満顔だったがとある条件を飲むかわりに我慢してもらった。
その後オレ達3人は先住民達の若者の案内で遺跡の入り口に着いた。中を覗いてみると壁はコンクリートのようだった。触ってみると無機質で冷んやりしている。床はデコボコが無く、フローリングのようになっており、少し古びて傷 だらけだがとくに問題はなさそうだ。
中へ入ってしばらく歩いていると白い塊のようなモノを見つけた。
近づいて見ると、それは人の白骨化した死体だった。頭部である骸骨は砕かれ半分になっている。
全身の骨も同様に砕かれていた。
死んだというよりは殺されたという感じだ。
一体どうやって?
「ふむ、コレは冒険者達の遺体だな」
「この中にもモンスターとかおるんかい」
「とりあえずみんな装備を戦闘モードで!」
「オッケーですニャ」
バキっ
突然、何か音がした。
みんな警戒態勢を取り、ブラックが風魔法を唱えた。
姿は見えないが足音が止まない……
「
ニーヤは魔法を唱えたが姿を見つける事が出来ず空振りに終わる……と思われたが?
「
炎の弾は姿が見えない相手を捉えて燃え上がった。
「よし、よくやったぞニーヤ!」
「うむ、大したものだ」
ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ! ガンッ!
「今度は一体なんや?」
「ふむ、何か近くで妙な音がするな?」
それは突然現れた。オレは恐る恐る柱の上へと視線を向けた。甲冑で覆われた全身、だがその眼光は赤く染まっており何の感情も伝えない。あるのは殺人欲だけだろう。さっき見た白骨死体はおそらくはこの身長約三mもの甲冑の巨人が大きな剣でぶっ叩いていたのだろう。
「コ…コレはゴーレムナイトかニャ?」
「オオオオァァァアアアア!!」
ビリビリと大気が震える。それに合わせ眼前の化け物――ゴーレムナイトが一歩前進した。
鎧が小刻みに震え、ガンッ! ガンッ! と耳障りな音を立て、大きな剣を振り下ろした。
その一撃はニーヤが作り出した風魔法のバリアを突き破ったがヨッシーの盾が攻撃をなんとか受け止めた。
「うっ、ぐうううっ! なんて重い一撃や!」
「キュイ!」
リンクが身体を回転させながら飛び出し、2段ジャンプしてサマーソルトをくらうとゴーレムナイトはバタンっと後ろに倒れて尻を地面に打ちつけた。
「
「くらえ! チャージショット」
クリフさんのスキル攻撃とニーヤが放った炎の槍をくらいゴーレムナイトは完全に消滅した。
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