第46話 悪魔に取り憑かれた王女?
あちゃ〜っやらかした? どうやらオレ達は入る部屋を間違えたみたいだ。しかも中にいる少女はまだ起きていた。どうしょうか?
「何や、王様の部屋とちゃうやんけ」
「うむ、どうやら間違えてしまったようだな」
「さっ次行こう!」
「ま、待って! ……お願い! ……助けて…… ……ダメ…… ……アイツが来る!……」
突然、フッとランプの灯りが消えたと同時に彼女がギシギシと音を立てて暴れ出した。
「いやぁあああああああああああああああああ!」
彼女は海老のようにカラダをそらし目は白目になり、首が腫れて顔つきはドス黒く、その形相は邪悪な雰囲気を漂わせていった。
「アレっなんか急に別人になってるよね?」
「ふむ、一体どういう事なのだろうか」
そこへ数人の近衛兵達が王様らしき人物とともに駆けつけて来た。
「エルサ、な……なんという事だ。また例の悪魔が取り憑きおったのか?」
「ヴェアァァァァァァアアッ!」
少女が口から吐き出した緑色の液体をヨッシーはもろに浴びてしまった。
「ウエエッ! 何じゃコレ汚いやないか!」
「むむ、コレは呪いか何かの類ではないのか?」
クリフさんの一言に大臣と王様は激しく同意した。大臣の話を聞くと今目の前にいる王女は数日前から突如、何か別の人間が乗り移っているかのように人格、言動が変わり暴れ出すので、このように手足を縛り付けていたんだとか?
「何か治療とかはしなかったのですか?」
「悪魔払いの者を呼んではいるものの何故か皆王宮へ来てもらえないんじゃよ」
なるほど、どうやらウーサ達が何らかの妨害工作をしているみたいだね。
「あとは、浄めの泉に連れて行くしか手立ては……しかしあんな所までどうやって……」
「ふむ、それはどこにあるのだ?」
王様は最後の手段としてサンターナからから南西に馬車で1時間ほどの所に広大なジャングルがあり、その奥に浄めの泉という病など大抵の病気に効く治療泉があるらしい。
そこへトイレから戻って来たヨッシーがズカズカと王様に近づいて行って手を握り出したので王様はビックリして、そばにいた近衛兵達がヨッシーに向かって槍を構えた。
「マサ坊ほんならその役目、ワイらがやったろうや!幸いジャングルやったらすぐに行けるし」
「なっ……なんと可能だと申すのか? あの魔物供や得体の知れない先住民族が跋扈するジャングルだぞ」
ヨッシーは親指を立て、満面の笑顔でアピールした。 しょうがないウーサの事もあるし引き受けてやろう。
そしてオレは王様に自分達がここに来た目的、つまり王の反対勢力がクーデターを企てようとしている事を伝えた。
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