第45話 王の寝室に忍び込め!
朝、オレはみんなに昨日の夜、判明した事について話をした。
「ふむ、『誘惑の香り』そして『暗示』か恐ろしい
「そいつらがこの国を転覆させようと企てとるんやったら王宮内の人たちに状況を伝えてあげたらええんとちゃうんか」
「だが恐らく王宮内にもスパイがいるだろうな」
「ほんなら盗聴器がいるな」
「我が
「ほう、そんな便利な魔法があるのか」
「よし、ならそれでいこうか」
オレ達はサンターナからクルマで移動する事45分で王宮に着いた。ここが異世界で速度制限がない事をいいことにヨッシーは180キロでぶっ放しやがった。ちなみに宿主に尋ねると王宮まで馬車で3日はかかるって言っていた。
さすがは文明の力…………チート
王都サンピエッタは意外にも石畳でしっかりと舗装された大きな道幅を持った通りばかりであった。というのもその通りの左右に立ち並ぶ家屋は大きく立派なものが多かった。言うなら王都のメインストーリートである。確かにサンターナよりも人は多いし、亜人や獣人など色々な種族がいて活気に満ちている。様々な種族の人々が幾人もすれ違う中、オレ達は目的地を定めた上でペチャクチャと話しながら歩く。
やがて、その目的地が僅かに見えてきた。
「あっお城が見えて来たで」
「山の上にあるニャ」
それはまるで要塞のようだった。長い壁が続いており、その高さは7メートルほどであり、一辺180メートルほどはあるだろうか。その壁の向こうに、角度的に少しばかり頭の部分を見せている塔がある。高さ的にはそれほどではない。せいぜい6階建て程度だろうか。しかしながら周囲にその塔ほどの建築物が無いために、対比的に非常に高く感じる。
そしてその塔に隣接するように複数の建物があった。その壁に沿って歩くと、しっかりとした門の前にたどり着いた。
「
おっみんな透明になったぞ
周りの仲間の姿が見えなくなったので小声でお互いに声をかけながら静かに中へ入って行く、
「
ニーヤの放った魔法により入り口の門を守る守備兵士達はアッサリと眠りについたのでオレ達はロープを使って登って行き、サジとカエナにもらったクナイを上手く使って上下左右へと目的の場所へと近づいていった。
1番手はもちろんクリフさんに登ってもらったんだけど速い!、速い!、速い! さすが狩人だ。
「ち…ちょっと待ってくれワイはまだ高い所は苦手やねんどコラ〜っ!」
嗚呼そうだった。ヨッシーは高い所がダメなんだったっけ?
「
ニーヤは魔法を使い悠々と飛んで最上階へとたどり着いた。浮遊魔法! いいねソレ!
リンクは2段ジャンプを上手く使い、壁を蹴って上へ上へと上がっていった。
リンクが城の屋上に辿り着くとあとはヨッシーが1人だけ遅れているのでみんなで力を合わせて彼を引っ張り上げ、やっと無事に登りきった。
夜遅くにまだランプの明かりがついている部屋を見つけた。多分ここが王様の部屋かな? そう思って入って見ると部屋には高そうなベッドがあり、そこには手足を布で縛られた少女がいた。
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