第40話 サンロードの塔⓶
「ここってダンジョンの中だよな?」
「そうですね?不思議~?」
「おぉっなかなかええ所やないの!ビールとおつまみ持ってちょっと軽く散歩したいなあ。そうやなイカ焼きとかタコ焼きでも持ってなぁ、アカンか」
「うむ、良い考えだ」
イヤ何言ってんの?良いわけねーだろ
クリフさんも何賛同してんの?
魔物もいないみたいだしちょっと散策してみるか
とりあえず各自バラバラで行動する事にした。
まずは俺、真ん中の歯がない少女カエナと坊主頭のサジの3人で行動する事にした。
んでニーヤとリンクそしてリナ
そして最後はクリフさんとヨッシーの2人
俺達は目の前の森辺りを探索していく事にした
よくみると木には果実が成っている
食えるのか?
「いっただきーっ」
「あーっズルイよ私も」
サジとカエナは木に登り出し果実を取って
食べ出した。スゲーよ! コイツらホントたくましいなぁ、オレ……オレはないわっ、都会育ちの俺には無理だわ(泣)
「うんめーコレすげぇ美味い」
2人がうまそうに食ってるところをみるとどうやら食べられるらしい
彼らにとってもらった果実を食べてみる…
「コレは洋梨? しかもラフランスだよ」
ヨッシのスキルで果物や野菜の種を買ってここで栽培して店を開くなんてどうだろうか?
ヨッシとクリフはほかのみんなとは反対側を歩く事にしていた。探索はみんなに任せて自分達は青空とこの草木の中で酒でも飲んで自分達はのんびりピクニックでもしておこうという考えだった。
草原をしばらく歩くとそこはと人の背丈程伸びきった雑草が生い茂っていた。
「ふむ、おそらく誰も手入れしなくなって何年も放置したらこうなってしまったのだろうな」
「そうか、ほんなら元々は誰かが住んどったんかもしれへんな」
奥へ奥へと歩いて行くと庭があり木造の民家があった。
「ほら見て見いや!やっぱりここに誰か住んどったんやで」
「ワン!ワン!」
庭に入ろうとしたら突然、数匹の犬が走り出して来た。
「なんだこの犬どもは? 痛っ!」
クリフはふくらはぎをガブリと噛まれた
「行こうや!、はよこっから離れよか」
クリフとヨッシは走って一旦は庭から距離を取る事にした。
「クリフ足は大丈夫か、何やあの犬らはあの民家にある何かを守っとるんとちゃうんかなぁ。あそこには多分近づけたくない何かがある思うねん」
「ふむ、一体何があるのだろうか?」
「お宝とちゃうか、分からへんけど……」
ニーヤリンクは木に登って上からこのダンジョンを探索していた。
ニーヤは木に登って上からこのダンジョンを探索していたその間、リナは両手でリンクを撫で回していると、ニーヤが木から降りてリナのところへ向かって歩いて来た。
「分かったニャ、ここには草原の中心に民家が一軒だけあり、周りには庭や畑があったニャ」
「よしっそうとわかればあとは私が」
「キューイ」
◆
サジとカエナは木に登って何か話し合ってる
「どうかしたのか?」
「あそこ家があるよ?」
「家? なんで?」
とりあえずその家を目指して歩いているとほかのみんなと合流する事が出来た。
クリフさん、ヨッシーの話によると数匹の犬が家を守っていて近づく事が出来なかったらしい
それってまさに魔女っ子アンリから貰ったテイムの指輪の出番だよね!
庭園まで近づくと話に聞いていた通り数匹の犬が襲いかかって来たので指輪の力を使う!
「
犬達の表情が穏やかなものになり尻尾を振って近づいて来た。
「嘘やろこうもアッサリと」
「さすがですニャわが
「さあ家に入ろうか」
とりあえずドアが開いていたので普通に家に入ることが出来た。
すると黒髪のメイド姿の少女が立っていた。
しかし微動だにしない
「うわっなんやいきなりやなビックリした」
「こっこれは」
「このお姉ちゃん人形だよねサジ」
サジが来てベタベタと少女に色々な所を触り出したが少女は微動だにしない
ニーヤが落ちている試験管を拾ってみんなに見せた。
「誰かがここにこの女性と住んで何かしてたのですニャきっとなにかの研究とか?」
ヨッシーが隣の部屋から古いギターを見つけて
庭で弾き始めた。演奏はいいんだけど歌下手だな
その時少女は目を開き、突然動き出した。
「うわっ動いたよ」
「こんにちには、バッテリーが切れそうなのでセーフモードにして自己停止させていましたの」
「こっこんにちは、自己停止って?」
つい反射的に返してしまった。
「あら、貴方は日本人ですか?」
「えっええと何で日本語が?」
「はい、ワタシを作った方が日本人だからですよ。あとさっきの歌、彼が好きでよくCDを聞かせてくれたり、音楽番組をみせてくれました」
皆がオレの顔を見てキョトンといている。
「一体何を話しているんだ?なんて言ってるのかさっぱりわかんねえ?なあカエナ」
「ウン、びっくりしたねーっ!突然知らない言葉使うからてっきりなぞの呪文の詠唱とかしてんのかと思っちゃったよ」
「ふむ、今の言語はまさか稀人の言葉なのか?」
「日本語わかるっちゅう事か、ほんならワイの美声で目覚めたっちゅう訳やな」
ハア、何言ってんの?
「大丈夫ですよ皆さんの言語で普通に話も出来ますので良かったらお茶にしませんか?」
とりあえず皆でリビングに座りお茶を頂く事になった。
「ごめんなさいねコーヒーが切れてしまって
紅茶でもいいかしら」
「いえ、どうぞお構い無く」
「コーヒーってなんだ?」
「あっちの世界のニガい飲み物だよ」
「ニガいんだってよカエナ、きっとスッゲーまずい飲み物なんだろうぜ」
「おうコーヒーやったら
「えっ、どうもありがとうございます」
少女は会釈をしてからコーヒーを受け取り注ぎ始めた。
クリフが意味深な表情でコーヒーを見つめている
何で? オレはクリフをじーっと見た。
「うむ、ニガい飲み物っていうから薬みたいなのかなぁと思ったのだよ」
テーブルにみんなのコーヒーが置かれると
皆、恐る恐る飲み始めた。
「ンンっコレっニガいけど普通に飲めるよね」
「これが我が
どうやら皆コーヒーが気に入っていったみたいだな、ヨッシがオレを見てウインクして来た。
ハイハイ貴方の手柄ですよーっ
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