第27話 湖と妖精と一角獣と③
スキル【探索】を使ってみる。目の前にここのマップ画面が現れた。少し離れた所から赤い表示がいくつかあったのでおそらくこの場所が彼らの住処なのだろう。
「どうだマサ君、
「ああ、どうやらここから5キロほどの所に住処があるみたいだよ」
「盗賊どもはどないや近くにおらへんか?」
「イヤ、それはわかんねえな?」
オレの
「とりあえず住処へ行こうよ。
オレ達は
「マサ君たちは
私とニーヤ達は奴らを抑えるぞ」
「
ニーヤが盗賊どもに向けて炎を放つと
「マサ坊、追いかけるで!」
オレはヨッシーと共に走って
「ハァハァハァどうしようもないな」
「よっしゃ、ほんならエリミネーターの出番やな」
ヨッシーはなんと
ヨッシーがキックしてエンジンをかけるとズド、ズドドドドドと激しい排気音があたりに鳴り響いた。
「何よこの変な音は? 変わったゴーレムね」
ヘルメットをオレに向かって放り投げ、ヨッシーは自分のヘルメットをかぶって、バイクにまたがると、後ろを指さしたのでオレは彼の腰にしっかりと捕まった。
まあオレの原付じゃこの山道はムリそうだし——
「いくであのお馬ちゃんらと競争や!」
クラッチを繋ぎバイクは走り出す。その振動がオレとフレリーヌを驚かせた。景色が、オレの視界にあるものがガンガン通り過ぎていく。そして、風と木の枝がすごい勢いで顔面に当たってくる。
コレ結構な速度で走っているよね?
「うわぁ、怖い!怖い! 誰か助けてぇ!」
オレの首にしがみついているフレリーヌが耳元でギャアギャア騒いでいる。どうやらこの速度と揺れにすっかり怯えてしまったみたいだ。
ヨッシーの林道走行により、すぐに
「よし、追いついたで」
「ア…アンタ達、あとはアタシが!」
フレリーヌは深呼吸して意識を集中すると超音波のような音を
「なんや突然止まりおった?」
「アタシが妖精の里でこの子達を保護するって事を伝えたんだよ。」
「つーわけでアタシはこの子達に乗って一旦里に帰るからあとはよろしくねーっ!」
さてと、それじゃ後はクリフさん達のところへと戻りますか。
◇
「2人が戻って来たニャ」
「ふむ、その様子だとどうやら
山道沿いではニーヤの魔法そしてクリフさんの弓さばきによって盗賊どもは形成不利とわかると一目散に逃げて行ったらしい。
さすがクリフさんだ。どうやら戦闘系の2人を当てて正解だったね
「ほんならさっそく勝利の祝杯でもあげよか」
オレ達は泉へと移動するとヨッシーが
「それって確かモンテーヌで飲んだ酒だよね?」
「アレはどぶろくやな、コレはにごり酒や!甘口でアッサリしてなかなかいけるで」
ゴクリと唾を飲むクリフさん……
「ふむ、それならば私も今夜は飲もうぞ」
「ちょい待ち!アタシも混ぜてちょーだい」
「妖精さんも飛び入り参加かニャ♪」
フレリーヌは
それにしてもオレらのまわりをクルクルと飛び回る彼女はまるでデカいコバエのようで正直ウザい!
つーか妖精も酒飲むのかよ?
「おう、ほんならみんなで勝利の乾杯しようや」
ヨッシーが注いだ酒を高く上げてみんなで乾杯した。月明かりに照らされる泉の前でオレ達はワイワイ騒いだ。
「ウマー何よこのお酒はー!
アンタらいつもこんな美味い物飲んでんの?」
「うむ、確かにコレはイケる」
「美味いニャー!」
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