第11話 討伐準備

 



 ———街の広場

 朝、突然発表された緊急の依頼に、街の広場は人集りが出来ていた。


「ケルトブルクの皆さん、今回は緊急依頼となります! 依頼内容は、現在、アジトから逃げて来た少年により野盗どものアジトが確認されております彼らの討伐に協力していただきたいのです!」


 街の人々の反応は様々だった。

 参加を希望する者、面白がって見ている者、我関せずと無視する者、誘いを断る者など

 そんな中、真っ先に手を挙げたマルグリットさん、まさか野盗どもの討伐隊に参加するつもりかよ?


「マサキ殿、私達も参加するぞ!」


「おう、歓迎するぜ。味方は1人でも多い方がいいからな」


 結局、街の若者が数人集まっただけであった。


 正直言ってコレじゃ厳しいな! どう考えても全滅フラグだろう。

 とはいってもマルグリットさんが参加する以上、なんとか生存率を上げないとな


「君、ちょっとよろしいかな?」


 見覚えのある貴族の中年男性がゾロゾロと騎士達を引き連れ、街の野次馬達をかき分けてギルド職員の女性に声をかける。


「こ…これはパトリス・ルコンテイ男爵?

 本日はいかなる用でしょうか?」


 おお、昨日風呂で一緒になったパトリスさんだ。

 やっぱり彼は貴族だったんだ。


「私の屋敷にいる私兵達も野盗どもの討伐隊に加えて頂きたいのだが?」


「えっよろしいのですか、

 すぐに確認して参ります。」


 ギルド職員はすぐに、ギルドマスターのギョームを連れて来た。


「パトリス、あなたの協力、支援に大変感謝する」


「……達だ。私も街で参加希望者を募っただけだよ。」


 ギョームはパトリスさんに何度も頭を下げる。


「しかしよく、こんなに集められたもんだ」


 もしこの討伐が成功すれば、ギルドからの報酬はもちろんのこと、領主からの報酬、さらには国からのなんらかの報酬も期待できるという事を街のみんなに伝えると続々と参加希望者が名乗り出たそうだ。


 しょうがないオレも参加するか……


 ———————————————————————


 【野盗討伐隊】


 - 冒険者ギルド所属 -


 Aランク1名(ケシャ)、Bランク4名、Cランク7名、Dランク15名、Eランク18名

 


 - 男爵からの支援 -

 

 騎士団26名


 -街からの応援、協力者-

 ヤッさん

 街の人々6名

 街の守備兵2名

 旅人1名


 ———————————————————————


 翌日朝、宿屋を出てマルグリットさんを待っている間、探索スキルを使い、自分の現在地がマップ表示させる。検索欄に「野盗どものアジト」と入力すると奴らの位置が赤色の点で表示された。

 その少し離れたところに青色の点が少しずつ集まっている。

 なるほどここが集合場所か?


 トコトコと馬の蹄の音が聞こえてきた。

 マルグリットさんが白馬に乗ってこちらへと近づいて来る。


「では行こう。マサキ殿は私のうしろに乗ってくれ」


「わかりました」


 今回も宿屋の使用人に手伝ってもらいなんとか

 マルグリットさんの後ろに乗る事が出来た。


 馬で1時間ほど走り、オレ達は集合場所へたどり着いた時、すでに沢山の天幕が立ってあった。

 その真ん中にある一際目をひく派手な色の天幕……

 そこにはパトリス・ルコンテイ男爵を中心にAランク冒険者のケシャ、騎士団長のルーソ、

街人代表のヤッさん、Bランク冒険者1人が

すでに作戦会議を始めていた。

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