第6話 ケルトブルクへ
朝、村長とセヴランに別れの挨拶をしているとトコトコと馬の蹄の音が聞こえてきた。
マルグリットが白馬に乗ってこちらへと近づいて来る。
「では参りましょう! マサキ殿は私のうしろに乗って下さいな」
「わかりました」
セヴランに手伝ってもらいなんとかマルグリットさんの後ろに乗る事が出来た。うわぁカッコ悪い
こんなことになるんだったら元の世界で乗馬の訓練でもしておくべきだったな
「マサキ殿しっかり私に捕まってて下さい。
では行きます!ハアッ!」
オレはマルグリットさんの腰に手を当てしがみつく。うわぁたまんねぇいい匂いがする〜
それにマルグリットさん柔らか〜い
途中、暴れん坊○軍が海岸で走っているシーン並みの速度は出していたけど特に気にならなかった。マルグリットさんの美しい柔肌との匂いのおかげで全然大丈夫でした。
町に近づいて来たのか少し速度を落として
早歩き程度で進み始めると街道のそばに流れる川で子供達がキャッキャッと走り回って遊んでいた。その中の小さな子供数人が手を振って来た。まだ8歳くらいかな?中には動物の耳と尻尾が生えている子もいた。
「マサキ殿は子供が好きなようですね」
「ええ、気持ちが洗われるというか癒されますね
マルグリットさんは子供は嫌いですか?」
「そんな事はありませんよ。ただ私は子供以前に相手がなかなか見つからないのです。15の時から貴族のパーティに出席したり、いくつか縁談も受けた事があるのですがなかなか上手くいかなかったです。やはり私のような貧乏貴族ではなかなか相手にされないですね」
そうなのか?
オレ、ドストライクなんですけど〜
「そうですか、貴族様も色々大変ですね」
「ええ、見栄を張った人付き合いが本当煩わしくなりますね。ところでつかぬことをお聞きしますが、
マサキ殿はシーフなのですか?」
「いえ、違いますが?」
ん、シーフって一体なんだろうか?
「どうも私の腰の下あたりにマサキ殿の短剣が
当たってるようなのでもしやと思ったのですが」
ごめんなさいそれ短剣じゃないです……
かたちはよく似ておりますが……
◇
マルグリットさんと話をしている間に街に到着した。
入口に槍を持った守衛が立っていた。
マルグリットさんが身分証を見せると彼女に敬礼して笑顔で通してくれた。
分厚い城壁を潜り、馬に乗ったまま中に入ると街が広がっていた。街並みを見回すと高い建物はなくどこもレンガ造りの二階建てのようだ。目の前には屋台が所狭しと立ち並び、足下を見ると石畳はかなりデコボコだった。上を見上げるとオレンジ色に統一された屋根とこの町のシンボルである教会の塔が随分と目立っていた。
「へえ、建物が随分とカラフルでオシャレですね。それになかなか賑やかそうな町じゃないですか」
「朝になると教会の方々が塔のてっぺんにある鐘を鳴らすんですよ」
楽しそうに教会の塔を指差すマルグリットさん
観光名所や遊ぶ所も多そうだしきっとこの街が好きなんだろうな。
なるほどやはりこの世界の文明はオレのいた
世界でいうと中世ヨーロッパの 16、7世紀あたりって所かな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます