オタクと人形ちゃんの夏休み

第十六話 オタクと人形の夏休みの予定

七月二十四日、夏休み初日、僕はだらしなくベッドに寝転んで動画を見ていた。

時刻は昼の十二時過ぎ。

ベッドから一度もでることなく過ごしていた。今着ているはパジャマだ。マジで気持ちい、愛してる。


さて、そろそろお昼ご飯でも作って食べようかと思い立ちリビングに移動したとき手に持っていたスマホがピロンと鳴った。

ラインの通知の音だ。

確認すると、やはりというかアリスさんからの通知だった。


ひいらぎありす『こんにちは、あの、夏休みの予定を決めませんか?いつ遊ぶとか先に決めておいた方が楽かと思いますので』


拓斗『いいよ』


流石優秀な人。僕はもう、その日その日行き当たりでいいと思っていた。マジ無計画な自分が恥ずかしくなるくらい優秀な友人で僕はうれしいよ。


ひいらぎありす『とりあえず、どこで遊ぶのかと日程を合わせましょうか』


拓斗『そうだね、遊べる場所かぁ…久しぶりにゲームセンターにでも行こうかとは思ってた』


ひいらぎありす『いいですね』


拓斗『アリスさんはどこか行きたいとことかある?』


ひいらぎありす『私ですか?そういえば、私は祭りというものに一度も参加したことがないので、参加してみたいです』


拓斗『祭りかぁ…ここら辺だと八月の中旬に大きめのやつがあるね』


ひいらぎありす『それじゃあ、それに参加したいです』


拓斗『じゃあ、それに一緒に行こうか』


ひいらぎありす『はい、楽しみにしてます』


拓斗『あとはどこがあるかな…?』


ひいらぎありす『あの、私、拓斗さんの家にお邪魔したいです』


と、そんなことを言われて僕は固まった。

え?僕の家???なんで??


拓斗『え?僕の家?』


ひいらぎありす『はい、友人というのは友人の家に行ったりするものだと、どっかで読んだ記憶があります』


拓斗『別にいいけど何もないよ…?』


ひいらぎありす『その行為を楽しみたいのです』


拓斗『さいですか』


ひいらぎありす『さようでございますよ』


畜生、無駄な知識ばっかり覚えやがって、誰だ、そんな知識植え付けたやつ。


ひいらぎありす『さて、日程を組み立てていきましょうか』


拓斗『そうですね』


ひいらぎありす『なんですか、私が家に遊びに行くのは嫌なのですか?』


拓斗『いや、嫌ではないんですけど…』


ぐるっとリビングを見てみる。マジでなんもない。

あるのは少し高めのテレビとソファーと机。あとゲーム機。


さて、こんなところに友人を呼んで楽しいのだろうかと思ってしまう。

そんなことを思っているうちに


ひいらぎありす『嫌ではないのであれば大丈夫ですよね』


そう言われてしまう。これで、アリスさんが家に来るのが確定してしまった。


ひいらぎありす『では、日程を決めましょうか』


拓斗『了解』


そうして始まった日程決め、あーでもないこーでもないと言いあって決まった日程は…


ひいらぎありす『それでは、日程まとめますね二十七日に私が拓斗くんの家に行きます。二十九日に拓斗くんが私の家に来ます、八月一日にゲームセンター、二日にカラオケ、五日にプール、七日にショッピング、九日に水族館、十二日にご飯を食べに行く、二十二、二十三日はお祭りが今のことろ決まった予定で大丈夫でしょうか?』


拓斗『うん、それで大丈夫だと思うよ』


と、ほぼ二日置きに遊ぶことが決まってしまった。

最初に比べていく場所が増えてると思うが、言い合ってる途中に色々追加されて最終的にこうなった。基本的に行きたいところを指定したのはアリスさんだ。僕はゲームセンターと夏祭りしか言ってない。

僕たちのいる県は海なし県のため、海に遊びに行くのは却下となったが。それ以外は特に問題ない場所だった為、このようなことになった。

日ごろから節約を心掛けていた為、財布には余裕がある。

だからと言っても遊びに行きすぎだが。

ちなみに十三日からお盆で一週間ほど帰省して遊べない日があるというわけで、十二日から次遊びに行くのが二十二日になっている。流石、令嬢。すっかり忘れてたけどお前いいとこの嬢ちゃんだったな。


こうして、アリスさんという初めての友人と遊びまくる夏休みが始まった。

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