第七話 オタクは人形ちゃんに漫画を勧める
「そういえば、西宮くんっていつも本を読んでるよね、何を読んでいるの?」
柊さんと一緒に弁当を食べた昼休みから数日経ち次の週の火曜日、今日も今日とて僕は弁当を持って柊さんと空き教室に来ていた。
この前一緒に食べたやんと思う方もいると思うが、聞いてほしい。一緒にお昼を食べた日の夕方、帰宅してから柊さんからラインが入ってきた。『明日からもお昼ご飯ご一緒しませんか』と、人付き合い大丈夫なのかと不安に思ったが、教室にいると男子から声かけられたりして、色々めんどくさいのでこちらで毎日食べたいのだそうだ。あと、僕と同じくらいクラスの人との人間関係は薄いらしい。
数日、僕と別室に行ったのが噂の話題になっていたが、僕と別室に行くのはお互いに勉強を教えあうためという理由で説明したら、なぜか一瞬で噂は鎮火した。そして、「がり勉二人組」というあだ名がクラス内で付きましたとさ。全然勉強してなくてすみません。
さて、そんなこんなで今日も一緒にご飯を食べるのだが、柊さんは教室で僕がよく読んでいる本に興味があるらしく、そんなことを聞いてきた。
「んー、漫画やラノベが中心かな?」
「まんが?らのべ?」
「あぁ、まずそこからか」
そいえば、この子いいとこ育ちの女の子だったなと思い出す。
僕は弁当片手に、できるだけわかりやすい言葉を選んで本の種類の説明をしていく。
「多分、漫画は見たことあると思うが、絵が描いてあって吹き出しにセリフがかいてあるやつのことを漫画って言って、ラノベは…あいまいだけど若者がよく読むやつって感じかな?あと、一般文庫に比べて安いから手が出しやすい作品ともいえるね」
「ほうほう」
「まぁ、僕が読んでいる作品はこんなのが多いけど、他にもちゃんとしたやつも一応読むよ。芥川龍之介とか太宰治とかそこらへん」
「…それなら私も読んだことがある」
「流石、真面目ちゃん」
「別に真面目というわけではない」
「そっか」
まぁ、確かに真面目ならゲームセンターに行ったりしないよな。
「それでね、私も漫画とか読んでみたいの。おすすめとかある?」
と、そんなことを言ってきた。
僕は最初に趣味を押し付けようか、無難なところを教えようか悩んだ末。
「無難なところでいえば、妖怪を封印していく夏〇友人帳とか、海賊の王になるワ○ピースとかかな?僕が昔から好きなのは、エウレ〇セブンっていうロボット系の作品とかオススメかな?ここまでは漫画でラノベは、SA○とかゼロ○使い魔とかハ○ヒとか入門っていわれて、僕としてはイリアの○UFOの夏とかおすめだよ」
結局両方とも薦めることにした。
柊さんは、メモを取って、「ありがとう」そう言ってぺこりと頭を下げた。
その後は、なんか適当な話をしつつ弁当を食べていたら時間は過ぎていき、そして、教室に戻っていった。
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