第6-03話 夕食会と濃いお話し会
2035/08/30 20:00
ハウスキーパーの
本日は、夏野菜の洋風ポトフふうお鍋と、サフランライスでと一人一匹という照り焼きチキンの香草蒸しでした。
「ご飯は御釜ごと持ってきましたから、たくさん食べて行ってくださいね」とおっしゃると、台所へ戻って行かれたのでした。
「いつもこんなすごいモノ食べてるのか? アタシはいつもは……」と珍しく
「まぁ一人暮らしだと多くなるよねー、インスタントとお弁当」と
「まあ私は飽きない程度には、自分で作るわよ? そうじゃないと腕も落ちるし栄養も取れないでしょう?」と香織さんがおっしゃいました。
「一人なのに作るのか?」と驚いた表情の紅葉さんがいたわけではあります。
それを置いておいて「サフランライスどうぞ」と言って渡していきます。
「お鍋冷えたら、美味しくないですよー」と言いつつ、自分の手元の取り皿に沢山よそうのでした。
「アツアツをいただくのがマナーです。なんちゃって」と香織さんがおっしゃって、それなりに自分の前の取り皿によそうのです。
「この茄子ウメェ!」と紅葉さんがおっしゃいました。
「一回筋目を入れて軽く焼いてあるのね、手間かけてるー」と香織さんがおっしゃいました。
「それに醤油ベースの鍋っていうのは初めてだが、洋風にしか見えなかったぜ」と紅葉さんがおっしゃいました。
「いいなー、こんな美味い物がたくさん食べれるっていうのは」と紅葉さんがおっしゃいます。
「
その噂で、あっているはずでした。隊員が薄給ということは聞いたことが無かったのです。
その問いに答えるかのように紅葉さんがおっしゃいます。
「アタシは正隊員じゃないからな、正規の隊員の半分くらいしかもらって無いのさ」と告白されたのでした。
「あー、非正規雇用になると
「今は検非違使に来てられるから、少しは真面になったんだがそれでも暮らしはギリギリでな」と紅葉さんがおっしゃいます。
「実際のところ大分、検非違使から貰える報酬がピンハネされてるんだよ、非正規雇用だってことでな。正規隊員ならそのまま報奨として貰えるところを大幅にピンハネされてしまって……」と紅葉さんがおっしゃられたのでした。
「いっそのこと、検非違使に移って来ては?」と私が切り出しました。
「ダメだ、特殊能力が無ければ検非違使ではやっていけねえ。修行でもしようかと思ったんだが、忙しくってそれどころじゃねぇ」と紅葉さんが大きな体をワナワナと震わせながら言ったのでした。
すでにお肉も食べ終わり、食後のデザートが出されていましたパンケーキ・アイスでした。お鍋のほうも、半分ほどを紅葉さんが
私はその時、いっそのこと広告塔にでもなれれば、お給料は上がるのではないか? とか思っていたのです、今のADSecurityの広告塔は男性三人組の
「無理な相談だというのは分かっているんだが、術を簡単に覚えられる方法は無いのか?」と私たち二人に紅葉さんが聞いて来られました。
「直ぐにではないけれども、即身仏になるとか荒行を行うとか手は無い訳ではないけど、一度死ぬようなモノヨ?」と香織さんはおっしゃいました。
「私の術は長い期間かけて覚えたモノの集大成ですから、
「やはり直ぐには無理なのか……」と大きく落胆する、紅葉さんの姿がありました。
「割と簡単に使えると言われる、符術ですら。ある程度の適性が、要りますし。一足飛びにとはいかなくても、
その日はそこまでで、お開きになりました。
次の日に、気分転換に三人でどこかに行こうという話になったのです。
「じゃあ少し遠出で
「乗った!!」と即答の紅葉さんがおっしゃいました。
「では私も!」と私も乗ります。
「じゃあ朝早くだけど八時に美空ちゃんの門の前で、目標は
「なんで、そこなんだ?」と紅葉さんがおっしゃいました。
「
「国生みの物語の島だからパワースポットよ!」と続けて香織さんがおっしゃられたのでした。
「よし分かった! そういうことなら」と紅葉さんも納得したようでした。
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