第5-06話 闇

2035/08/17 19:00

 その夜はサバトが催されていたのでした。

 ある者は半裸で踊り狂い、またある者は生贄いけにえを犯しむさぼり、それぞれが好きなことを好きなようにしていたのでした。

 幸い、この隠れ家ハイドアウェイは山の中腹にあり、市街地からも近くの高級住宅街からも離れていたのでコレができるのでした。


 そのサバトの頂点にいて生気オドを吸っている者が居ました。

 柳童子りゅうどうじ 軍蔵ぐんぞうでした、まるで肉塊のような体を持ち、ただれた火傷やけどを負った顔を持った醜悪しゅうあくな悪魔の様な男でした。

 これで代議士だと言うから驚きでした。


 彼の足元には贈賄ぞうわいで送られてきた金塊が何本も並び無造作に積み重ね上げられていたのです。

 サバトの関係者には例の特集ニュースの関係者たちも居ました。

 どちらかと言えば、雰囲気に呑まれているようにも感じられました。


 生贄となって犯され貪られているのは、家出女子中高生でした四人程がおり様々に犯され貪られているのです。

 半裸で踊り狂っているのは、半分悪魔化した女性でした、頭には角が生え素の角もイヤらしく捻じれているのです。

 柳童子も気分が良い様で、全裸の女性三人とイヤらしいことにきょうじていました。


 今夜は彼の生誕祭でもあるのです。

 いつもよりも、盛大でした。

 百インチはあろうかと言う大画面には八課棟爆破の瞬間が何度も再生されており、時が止まったかのような感じさえあるのです。

 それを夕闇ゆうやみに包まれ始めるこの時間から行っているのでした。

 それは深夜零時まで続けられるとお開きになるのでした。


2035/08/18 00:10

 零時頃には、生きているものは四人減り、全て貪り尽くされ、食べ尽くされた、無残な亡骸なきがらが残るだけだったのです。


「食べ尽くしてしまったか、まあいいまだ飼っているものはまだるそいつらが次の出しものだ」と言って下品げひんな笑みを浮かべるのでした。


「だいぶれて来たではないか、のう」と柳童子が特集ニュース番組の関係者に話しかけました。


「これも柳童子様のおかげでございます」と黒い大きな人が入りそうなトランクを三つほど持ち込み開けて見せるのでした。


 その中にはもちろん人が縛られて折りたたまれて詰め込まれているのでした。


「これは上物だな」と体をイヤらしく触り対象の反応が健全であるかを確認しているようでした。


「地下牢に詰め込んでおけ餌はかかすなよ? 例の青い粉ブルー入りの奴だアレでないといかん。感度が良くならん!」と全裸の女性に言ったのでした。


 こいつはさらに醜悪に笑うと、「今日も良い食べっぷりだったし、良い肉だったではないか」と言ったのです。


「やはり女を食べるのには若くて、張りつやがよく、感度が程よく上がっているヤツでないといかん。それも柔らかい臀部や胸や性器でないとな」とさらにいやらしい笑みを浮かべ、“ジュルリ”と音を鳴らしながらアゴに付いた肉片の残りカスをぬぐったのでした。


「次回は八月二十九日の十九時から行う。今度は良い飲み物も用意させよう」と下品な笑みをさらに強くしたのでした。


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