第5-02話 仕出し汁とプレハブと証拠

2035/08/16 19:00~

 仕出し弁当だけでは、警備部門が大変であろうとということで、急遽きゅうきょ女性陣で夜間に暖かい豚汁を作り皆に振舞ったところ、好評となったのです。因みに発案者は、神無月かんなづき美空みそら嬢であったのです。女性陣筆頭は美空嬢だけでしたが他にも、一般事務から女性局員が出てことに当たったため好評を博したのでした。寒暖の激しい中皆大変であろうということからであったのですが、夏場ながらこれは好評を博したのです。冷えても昼に飲めるという事情もあったからでした。


2035/08/16 19:15

 発案者の美空嬢以外はどうしていたのかと言うと、みこと嬢は時間の問題で外出できず参加不可能でありました。斯波しば班長は京都に出張であり、事と次第の報告の他に古武術の師範から呼ばれていたという話があるのでした。温羅うら嬢が参加できなかったのは、奈良の本山に事と次第を報告に行っていたためであり別に用件があったわけでは無いのでした。尚、この企画を聞いた風祭かざまつり係長からは出費も計画に入っており本人も参加した記録が残っているのです。このため、美空嬢はプランの立案者ではありましたけれども、私財の投入は行われていないのでした。


2035/08/18 09:00~15:35

 また事務所構造の欠陥も露呈した形になり、全ての対爆ロッカーはカギがかかった状態であり爆発物にもビクともしなかったのですが配置の関係で窓側壁面設置であった為爆風をさえぎる構造になっておらず、吹き抜けとなったのは言うまでもない構造上の欠陥けっかんであったのです。主にパーティションが大ダメージの結果に重なっており密閉みっぺい型パーティションの欠点を浮き彫りにしていたのですが、新規で作成される建屋にもこの構造は用いられることになっており、より一層厳重になって帰ってくることになっているのです。

 新規構造では、対爆ロッカーもパーティションに合わせて設置される設計になっているのでした。爆発、こと内部爆発に対してはかなり頑丈になったと言える構造になっているのでした。

 但し、起きないに越したころは無いので、セキュリティーがさらなる形で向上したのは言うまでもなく、ダブルチェックからフォースチェックになり、入り口で光彩認証と静脈認証が追加された事件にもなったのでした。

 これは副課長が、建築設計事務所と相談し、様々な案件を抱えていた副課長の今までの経験や考察などが、盛り込まれた結果になったのでした。


2035/08/19 15:00~16:35

 強化プレハブの完成式典が行われ、その隣で新建屋建築式典がほぼ同時に行われたのでした。副課長、係長や一班、七班、共同捜査チーム員全てが揃い式典に臨んだのでした。二つの式典をこなしたあと、プレハブに荷物搬入などを行い、実際に使用できるように調整などを行ったのでした。


2035/08/19 17:00

 その後いったん解散され、市民病院から課長の意識が戻ったとの報を受け副課長と七班メンバーのみにてお見舞いに行ったのでした。一班は何が有るか分からないので待機任務、共同捜査班はその補佐と言う形で残ったためです。

 他に警備担当も、新システムに完熟するまで帰れず、他の警備班も敷地内警備などで人数を割けなかったので致し方が無い状態となったのでした。


2035/08/19 18:00

 副課長こと加藤先生が立ち会うという特例の中、粛々とお見舞いが行われ副課長から現在までの経過報告、係長から現場検証から浮かび上がる犯人像等が開示されたのでした。七班はその構成人員の大半が学生であり協力者であるため、こたびのお見舞いに参加する権利を得たのでした。

 又このお見舞いはデータパッドによるリンクも行われ、画像は少し荒いですが一班と共同捜査チームでも、見ることが可能にしてあった、というのは言うまでもありませんでした。


2035/08/19 18:30

 副課長からできうる限り全てのカードを切った、と話された課長はこたびの件は認識の甘さにも原因があると言われ、各自一層の努力をして欲しいとおっしゃられたのでした。

 見舞いが終わったあと各自帰り、次の日からは各自、山のように仕事が待っていると副課長が再び、おっしゃられたのでした。


2035/08/20 09:00

 各班の軽い机も並び、パーティションの無い仕事場の空気にも慣れ始めた頃でした。一班に非常呼集がかかり、偽造ナンバーを付けた、輸送トラックと偽造ナンバーを付けた偽装工事車両が見つかったため、解析班と一緒に調査に向かってもらうという指示が出ました。


2035/08/20 09:30

 一班と解析班が現場に向かうと、海中から引き上げられている犯人の車と思しきものが見られたのでした。血眼ちまなこで様々な痕跡こんせきを探すと、犯人の乗っていた椅子やシートが、やけに重い物が座っていたということと、それが二十七脚分見つかったのでした。擬体ぎたいが座ったと思われる後だったのでした。つまり犯人グループは、七班の学生組と協力捜査チームの折神さんを襲った者たちと、同様であると言う答えを出したのでした。


2035/08/20 11:45

 他にC4爆薬の欠片や、電気着火装置の残骸なども残っており、建屋を爆破したのはこいつらだと確定させる情報が揃っていたのでした。つまりまだ、この近畿圏のどこかに、二十七名の擬体戦闘小隊イミテーションコンバットプラトーンが居るという、極めて貴重な証拠となったのでした。


2035/08/20 12:25

 偶々、海上投棄しているのを見かけた、という現場作業員からも話が聞けて、ほぼ確実にまだ何か、やろうとしているということ、が分かったのでした。


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