第3-02話 反攻
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気密性が、そんなに高くないドアのおかげか、廊下を歩く人数と装備をどれほど持っているかが分かりました。
装備は襲撃者よりも少なめで、若干軽い足音がするのです。
ですが、相手は
明らかに普通のヒトが、フロアを歩く音とは重さの響きが、異なるのです。
そこで! と術を最小出力で噛ませば最低の半径一メートルで飛ばせることを、思いつきました。
確かに平時の
流石に、平時の出力で出してしまうと、隣や仮に前に部屋があった場合、その部屋を叩き潰してしまう可能性があり、放てなかったのです。
ですが、最小出力なら半径一メートルまで縮むのです。
私の行為が、皆の反攻の切っかけとなる様に祈りました。
そして、術を
範囲ではなく、
神鳴は円形の施行形状を持つ術ですが、それを縦型や横型、
施行形状の変異はまた体の
特に今皆が、武器を持っていないと思われる現在では、私が突破口になるほか無いと思われたのでした。
そして集中します、自身の周囲のみが破壊されるイメージを絞り出すのです。
そして、小声で“神鳴”と囁きだすイメージで唱えます。
次の瞬間、
“ゴガアッ!!!”
“ガランッ!”
と大きい音が
思いどおりでした。
そして、先の見張りと思われる者たちが駆け付けて来るような音がしたので一歩踏み出し廊下に出ます。
そして二度目の術を発動しました、廊下に沿って見える範囲でです。
神鳴は気を抜くと、前後にも同一の範囲で術が出てしまいます。
そして発動され、
“ドゴッ!! ドゴウ!!”
“ズシャアッ!!!”
二つの鈍い音と何者かが転がり吹き飛ぶ音がしてました。一発目は向かって右側に術を放ったのでした。
左側にも切り返し同様に術を発動させます。
“ドゴッ!! ガシャンパリン、ゴガアッ!!”
“ズシャッ!!!”
今度は左側にも掛けました。
何者かが、吹き飛んで行って壁に叩きつけられ、何かを破壊したような音がしました。
“ドカン、ガシャン、ゴロン”と私の後方で、鋼製の扉が荒々しく変形し開く音がしました。
後ろを振り向くと、
「
「しかしすげえな、神術っていうのは」と言い左右を見回します。
「左右の奴がカギを持ってないか調べよう。今ならまだ、昏倒か倒れ伏しているはずだ」とおっしゃられたのです。
同意し
対象は完全に壁面にヒキガエルの様に叩きつけられた後、そのまま昏倒状態になっているようでした。
対象に近づき、そっと武器を
対象が付けているベストのポーチの中に
「鍵束ありました!」と言って対象から、まず鍵束を奪い、ナイフや拳銃を剥ぐと予備弾倉も一緒に剥ぎ、使用させてもらうことにしました。
拳銃の操作方法は一通り習っていますので、問題ありませんでした。
ナイフも短刀と扱い方は似ていますので、問題はないでしょう。
とりあえず手直な扉から、一つずつ開けていくことにしました。
開錠だけです。
中身に何があるか、よく分からないので、この手を使います。
一通り左側を開け切りました、扉には番号が記載してあるので鍵と合わせるだけでしたので楽でした。
右側も同様に、左右の扉全てを開錠していきます。
右端側まで行くと紅葉さんが相手対象の着ていたボデイーアーマー
すでに武装は、二人から剥ぎ取り済みのようでした。
「とりあえず急ぎ開錠だけは済ませましたが、中身はまだ見ていません」と言います。
「分かった、一緒に行こう」と言われると立ち上がられました。
全装備をはぎ取られ、後ろ手に手錠がかけられた族が二人、出来上がっていました。
「向こう側の奴は拘束したかい?」とおっしゃられたのでした。
「拘束できるようなものを持っていなかったので、武器だけ剥いであります。鍵束だけが優先でしたので」と答えました。
「ひょっとしたら起きてるかもしれないが、まあ何とかなるだろう」とおっしゃると、近場の扉を一つ開けました。
「ドンピシャだな」奪われた武器、鞄類が積み上げてあったのです。
まず、自身の鞄と御神刀を確保します。
そして温羅さんの鞄です。
あと武器類も確保し装備していきます。
その間に紅葉さんはもう一枚の扉を開けに行っていました。
中から折神さんが助け出されました。
「
そうして全ての扉が開けられ、
そして装備を再装着していきます。
「加奈子ちゃんが居ない! 何かあったんだきっと! 早く助けなきゃ」と私は
装備を付け終えた
「急ぎましょう。何がどうなっているのかよく分からないけれども、急がなきゃならないのは確かね」とおっしゃいました。
折神さんと、紅葉さんが共同で拘束した族を一人だけ起こすと、尋問を始めていました。
「部隊の規模と、我々を攫った意味と、加奈子嬢だけなぜここにいないのか?」
と聞いていました。
「部隊規模は最小の小隊規模だが、もう次の作戦に入ったから我々しか残っちゃいねえ。意味か?
「加奈子ちゃんは、どこにいる。それだけ答えろ。でなければ
「三フロア上だ」と言うと折神さんが「ご苦労」と言うのと同時に銃の
それが無ければ、いらんことを言った瞬間に、私は真面目に全弾撃っていたでしょう。
それくらい迫力があったのでした。
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