第1-05話 第四の協力者

━━━━━《斯波しば視点》━━━━━


 時間は昼を過ぎ、十五時に差し掛かろうというところでした。


 折神おりがみさんは副課長の計らいで主任クラスになっているのでした。


 風祭かざまつりさんも課長の計らいで係長のポストにおられるのでした。その代わり、パートタイマーではなくなってしまったのですが「まだ名前が売れる前だから、私立探偵としては開店休業でもいい」といわれていたのでした。



 でも二人とも、七班として動く際は隊員として動くという取り決めがなされてはいました。


 でしたので特には気にしなかったのです。


 対外的に動かれる時は、それぞれの役職が利いて来るだろうと課長と副課長で話されていたのでした。


 実質、その肩書は有効でした。


 まさに今回、中華系黄龍のドンであろうワンさんと話しているときがそうだったのでした。


 このためか、七班の席数はいつの間にか十四席になっておりました。


 フロアのパーテーションを増改築して、本来は八班ができるであろうと言われていた間取りを使用しているのでした。


 八班は新人が増えた時用の応急部屋だったともいいます。


 他に応急部屋は、三室分空いているのでまだ、何とでもなる余裕があったのでした。


 七班の部屋は、班長と常設人員のための机ブロック七個と副長とアルバイト学生陣の使用する机のブロック七個に分かれておりました。


 現状ではラウさんが常設側に入って総人数九人になる状態でした。


 なので常設ブロック側の机島に予備の机が二個があったとも言います。


 検非違使で、使用されているパーテーションは、その部屋だけで密談が可能なように、フロアの上から下までを仕切るタイプのものでした。


 普通のタイプの上下に空間の有るただの戸板パーテーションとはわけが違ったのでした。


 その代わり防火装置は万全であり、消防局の点検も余裕でクリアできるほど精緻せいちに作られていたのでした。


 八課は、神戸分署の中では一番良い建屋を使っているといわれていたのでした。


 最後に作られた課なので、当然とはいえました。


 そんなことを少し考えている間に、折神さんとラウさんの間で、さらにしっかりとした話し合いが持たれており、顔合わせは早い方がいいので今日行きましょうという話になっていたのでした。



━━━━━《佐須雅さすが視点》━━━━━


 そのころ佐須雅さんは、周囲の警戒をしながら一人擬体用の食事を食し、一人寂しく待っていたのでした。


「少々遅いですねえ、物別れになって無いといいのですが」と心配をしながら擬体用のリキッドを飲み、待っていたのでした。


 佐須雅さんも検非違使の協力捜査チームになるにつれてFN P100A2になっておりました、これで弾の心配が無くなったのでした。五点五六ミリNATO規格共通銀弾が使用できるからでした。


 そんなことを言っていると、皆が出てきたのでした。


 そして一人増えているようでした。


 その一人は片手に手土産を持ってきており、上長に渡すものと思われたのでした。


 自車で来ていた、斯波しば班長は風祭さんと一緒に帰るようでした。


 折神さんともう一方ひとかたはこちらに来て、「乗せてもらえないか佐須雅さん」と折神さんにいわれ、「こちらは今日から一緒のところに詰めてもらえる、七班の新たな協力者ラウ飛青フェイチンさんだ」と教えてもらいました。


「よろしくお願いします。佐須雅さすがウィルエルと申します」と言いながら後席のドアロックを開けドアをオートで開けながら、二人を導きます。


 先に斯波班長が帰りました。


 少し時間を、空けてこちらも出ます。


 道を少し変えて、同じ場所ですが一本程道をずらして追尾車がいないか、念のため確認してから帰ったのでした。


 追尾車はいませんでした。



━━━━━《折神視点》━━━━━


 そして、課長と副課長の居る三階に戻ってきました。


 ラウさんを、課長と副課長に会わせて土産を渡し、ラウさんのカードやカードキー、手帳を作る算段をってもらいました。


 書類をいただき、九十九つくもさんのところに案内するようにいわれ、そのついでに各セクションと重要な場所を教えてあげるようにいわれたのでした。


 一階には事務室、警備室等が入り、緊急出動用の車庫も備えます。


 現在は男女とも更衣室は地下にあるため、更衣室のカギを受け取って俺は男子更衣室の場所と専用のロッカーをまず案内し、他の重要な場所の案内をサックリとしました。


 最後に七班のオフィスを教えました。


「ここかさっき案内した協力者用のデスクかに居てくれ。まぁデスクといっても班が決められている我々はもっぱら、七班の部屋にいるけどな。装備の調整や事務仕事は七班の部屋ですることのほうが多い」とも笑顔でいいました。


「もう少ししたらバイト組が到着するだろう、先手は長良ながら副長と周防すおうみこと嬢だろう。学校が終わるのが早いからな。残りの三人はまとまって到着するだろう。一時間ほど遅れるが」と落ち着いた口調でいいます。


「専属事務員の九十九さんの案内でカードとカードキーと手帳を作ってもらうといい。顔合わせがあるから、またこの部屋に戻って来てくれ。武器のほうは一階の専用ロッカーに入れて置いてくれ、またあとで会おう。っと調整の出来てない武器はデスクのほうで調整をして地下三階の射撃練習場で調整するといい。まずはカードとカードキーと手帳が先かな」といって別れました。



━━━━━《ラウ視点》━━━━━


 折神さんと別れ、まずは九十九さんのところ、つまり事務室に行きました。


 先程面通しは終わっているので、そのまま書類を渡すと「カードとカードキーと認識手帳ですね、こちらへどうぞ」と言って様々な機材の並んでいる奥の部屋へ連れられました。


 手の指の指紋しもん・瞳の光彩こうさい・歯形などを機材で撮られ、三面写真で写真も撮られ、少し待つとカードができました。


 それを基にカードキーを作り認識手帳も作られていきます。


 ものの十五分もかからない内にすべて登録が終わり三品ができたのでした。


「これで大丈夫ですよ、無くさない様にホルダーに入れて保管してください」と専用のホルダー等をもらえました。


 こんなに簡単にできるのかと、あっけに取られてしまいました。


 が上長承認や面通し無しでは作れないでしょう。


 それだけ信頼されているというものに感じたのでした。



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