第1-03話 状況と情報
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二月末日に起きた、テロ事件から犯人の足取りは追えなくなっていました。
現在も、別の班による調査や捜査は続いていますが、この三ヵ月全くといっていい程証拠が無く、追えませんでした。
それに第七班は、各自の研修や派遣待ちで人員の足並みがそろわず、開店休業状態だったのでした。
特に研修の期間に一ヵ月取られたのが痛かったのです。
しかし、最低一ヵ月以上の研修を行わなければいけないと規定にあります。
即戦力とはいえ、検非違使としての知識や制度を抜きにしては始まらなかったのでした。
装備のほうも、整えなければならなかったので、そこそこの時間が必要だったのでした。
それに実践も行い確認もしなければならないのでした。
結局皆優秀でしたが、最短の一ヵ月はじっくりとかかったのでした。
また、
小学生である上に握力が弱く、それが元で敵に武器を奪われるくらいなら、何も持たない方がいいという判断の様でした。それに、術に自信があったようでした。
但し、彼女らは学生アルバイトでもあったのでかなり気を付けないといけないデリケートな問題があったのです。
それは学業でした。
周防みこと隊員はまだ小学生六年生、他の隊員三名は高校一年生だったのです。
ですので周防みこと隊員だけはギリギリ十六時から作戦参加できますが、他三名の隊員は早くても十七時からの作戦参加になるのでした。
そして内二人は自力移動できますが、もう二人には迎えの必要があったのでした。でなければさらに作戦開始時間が遅れることになるのでした。
高校組一人は二人乗りで解消ができるとしても、小学校に偽装バンや専用車両を横付けするわけには参らず、そちらへは副長の
その理由も、自車ではないが車種が豊富にあり、誰が来たのかバレにくいという理由からでした。
私が迎えに行くのもいいのですが、常に偽装バンで行くわけにもいかないからといったふうでした。
長良さんが動けないときは、私の自車を出すとの判断になったのでした。
そして本日六月一日も平日ではあるため、各自学校があり第七班は四人体制でアフターファイブまでの時間、仕事をこなすようでした。
今までの報告を読むのが、本日の作業になると思われました。
報告書の中に
折神さんの実地調査報告と佐須雅さんのダイブ情報では中華系企業を媒体にした警備保障会社であるとしか出て来ていませんでした。ここいらでの支部は、エリアナンバー一〇一封鎖区画の中に在り、調査が進んでいないという報告だったのです。
エリアナンバー一〇一は大阪南港に在る比較的大きな封鎖区画でした。
普通にダイブすると企業防壁に囲まれている比較的セキュリティーの硬い警備会社だったのでした。
ディープダイブも試みたのですが攻守防壁があり、これ以上潜るのは危険だと言えるものだったのでした。
イリーガルダイブは試みていませんが攻守防壁があるということはかなり危険な罠が沢山張ってあると思われ、今の段階で検非違使からのイリーガルダイブであるということがバレると、かなり不味い状態になると思われたのでやって無いということでした。
表の企業広告では、そんなに危険な事をする会社であるとは思えないのですが
この会社はクロだと思われたのでした。
しかし、勘だけで捜査をするわけにはいかないのです。
そこがややこしいと思われました。
餅は餅屋に聞けという言葉がある通りADSとは比較的ぶつかることが多い警備会社だったのでした。
つまりは紅葉隊員から情報を得ることができると思われたのでした。
がしかしまだ彼女らは学業の真っ最中でした。
時間もまだ昼前ですので、まだたっぷり七時間はありました。
この時点でできる事は中華街での情報収集でした。
神戸には比較的有名な中華街があります。
折神さんが数度足を運んでいますが地元の有力者に会えないため、二の足を踏んでいる感があったのでした。
しかし、中華街でそれなりの有力者に会おうとするとかなり危険な
それが問題だと思われたのでした。
もし行くとしても、私服で武器は持っていけません、当然防具もだめだと思われたのでした。
私服で尚且つ社用車以外つまり自車で行く必要があり、それなりの信用を得なければ会えないと思われたのでした。
折神さん
との報告があったので折神さんと班長で行くことにしたのでした。
警察用車は使えませんから、私の私物である車両でした。
散財覚悟で行ったのでした。
一応、佐須雅さんに偽装バンでバックアップはかけてもらっておくことは忘れませんでした。
中華系の顔役には一度会いたいと思っていたところなんだといってくれたのでした。
十一時前には元町中華街には着いていました。
顔役の運営するお店は一回が輸入雑貨屋、二階が飯屋になっており、三階以上は何が入っているのか不明でした。
風祭さんが、
要約すると店長に会いたいが、その前に昼食を食べたいので、お勧めを三人分
まるで大陸にいたことのあるような流暢な話し方でした。
「私は風祭
店員さんも名を名乗られました、「
折神さんは
それだけ、風祭さんの交渉術が優れていたことの表れといえたのでした。
そして二階に上がり、
客人をもてなすといったふうの昼食でした、いくらかかるのか不明な昼食でしたが、風祭さんが払うといったので、胸をなでおろした私と折神さんだったのでした。
風祭さんの風貌もモノをいったのかもしれないと思われました。
風祭さんは
美貌もかなり高く、かなりのインパクトがあったのは確かです。私はその美貌に押されてしまうことがあったので、私よりも凄かったのだと思われたのでした。
そして会計を支払い、デザートを三人分頼むのでした。
食後のお茶もぬかりなく頼みます。
むしろ折神さんのほうが、あまり落ち着いていないといったふうでした。
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