第0-39話 身辺警護延長:謝と誤
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そして、
私が降りると、いったんドアをフルロックさせ、物理盗難防止装置をオンにしたようでした。
そして私が、小門の近くに設置してあるインターホンを押します。
直ぐに
「小門をあけていただけないでしょうか? 美空さんは疲れて眠っておいでなので――」と伝えると。
「分かりました。直ぐに開けに行きますね」との返答を得られたのでした。
一分半後、小門が開き綾香さんが迎え入れてくれました。
綾香さん、私、美空さんを抱いた長良さんの順で正面玄関に通されました。
当然と言えば当然なのですが、今日は
「美空さんは、疲れて眠っておられますが、命には問題ありません。私がもう少し早くに気付いていれば、このような状態には」と言うと。
「それは美空の問題じゃ」と沙羅御婆様が言われたのでした。
「まあ玄関で立ち話もなんじゃから、応接に入って来て
そして「綾香さんや、布団一式を応接へ持ち込んでもらえんか少し長い話になりそうじゃからの」と言われたのでした。
綾香さんが手早く応接の中の端に布団を敷きました。
「どうぞ、よろしくお願いします」と綾香さんが、長良さんを応接内の布団に導きました。
美空さんをいったん、仮に寝かせる様でした。
長良さんが布団の敷物の上に美空さんを降ろし、綾香さんが上掛け布団を整えました。
そして二人分の座布団が用意されたのでした。
こちらは申し訳ない気持ちで一杯でした。
美空さんのショルダーバッグを渡そうとすると、「それは美空の
頼王御爺様と沙羅御婆様が先に上座に座られると我々も座布団に座るように勧められたのでした。
私の右側に、長良さんが正座で座りました。
私も、正座の態勢です。
「この度は御心配をかけてしまいまことに申し訳なく思っております」と座卓に頭を付けそうな勢いで長良さんが謝ったのでした。
「突入班の我々が
そこに綾香さんがやってきて、まず頼王御爺様にいつもの有田焼の
「美空の事じゃ、また暴走したのであろう」と頼王御爺様が困り顔で「
長良さんが、おそるおそる顔をあげると怒ってはおらず、むしろ困り果てたと言った顔の頼王御爺様が居たのでした。
同様に隣にいる沙羅御婆様も頼王御爺様と似たような困ったといった感じの顔でこちらを見ておられたのでした。
「美空の悪い
私が一瞬聞こうかと思いましたが、今の場の流れは頼王御爺様と長良さんの場です。私が乱すわけにはまいりませんでした。
しかし、長良さんが思わず聞き返してしまい「暴走なのですか? むしろ、それのおかげで我々突入班には損害が無かったのですが」といってしまいます。
「この子は出来ると一旦思うと、思い込みだけで事を成し遂げようとする。そんな暴走癖があっての。我々も度々助けられてはいるのじゃが、その度に自らを
確かに覚えはありました。持てる力の全てを使ってしまい、崩れ落ちるように私目掛けて倒れてきたのが、その証だろうと思われたのでした。
沙羅御婆様がこちらの思考に気が付かれたようでした。
「美空の事じゃから、今日は香織さんのほうに倒れていかなかったかね」と聞かれたのでした。
それには「はいその通りです、力を出し切ったと思われる後は、そのような状態になりました」と答えました。
「美空は暴走するかしないかを、
「で今日は何を使ったのじゃ?」と沙羅御婆様が興味津々といったふうで聞かれたのでした。
「合っているかどうかは分かりませんが、多分。遠視の能力と、建物を透視する能力、特定の波長を持つ生命力の探査をできる能力と、声を長距離の特定の人間に伝える能力かと思うのですが。そんな便利な術は神術の中に在るのでしょうか?」と現場にいて実感した長良さんが、答えを引っ張り上げます。
「近いものはなん種類かあるが、そこまで便利なものはないのう。まさか美空は
「食事は倒れた後で、一度
「それと、美空さん自身が言っていたのですが、美空さんが言うには、
「やはり術を
「あくまでも現在の神術は形を成しておるから、後世に伝えるために始祖か神が形として伝えたものではないかと言われておる。本来の意味での神術と言うのは、神の力を代行する者の使う術と言う意味じゃ。じゃから美空の使っている術を捏ねたものが本来の神術の姿に近いのじゃと思う。なんでもできたそうじゃからのう、神話の世界の話ではあるのじゃが」と横で沙羅御婆様の話を聞いていた頼王御爺様がいわれたのです。
「それと一度飯を食べたということは、朝までぐっすりコースじゃぞ、沙羅婆様や」と続けられました。
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