第9.5話 お初にお目にかかります

ピンポ-ン


「誰かしらー?」


「カエデです!」


「あら、久しぶりね!ビャッコはもちろんいるから!あと…来客もいるから…」


「分かりました!」



「…あっ!この3人ですか?」


「そうよ?」


「お初にお目にかかります!カエデと申します!」


「これは丁寧に…オレンジと申します…」


「じゃあ私も…タイリクオオカミと申するよ…?」


「イタリアオオカミと申します…」


「…なるほど!これからはお友達としていきましょうか!よろしくお願いします!」


「よろしく…ね?」


カエデ、勢いが良い。


「そういえば聞いたんですけど、今度パーティーするみたいですね!でもなんで…」


「…私たちの関係、知ってるかい?」


「はい!もちろんビャッちゃんから聞いてますよ!怪盗団、ですよね?」


「そうだよ?大江戸さんの真紅の眼を盗ったよおめでとう!みたいな感じでやる!」


「あれ?ニュースでは捕まったってことだけ…」


「それは偽物とすり替えたんで!」


「なるほど…?」


「カエデ、お茶だ」


「あ、ありがとね!」


「…好きだ…」


「もう、いつからこんなに僕のことが好きになっちゃったの?」


「カエデが仕掛けたんだぞ…?」


「それもそうだけどさ…あと腕強く抱きしめないで…血が止まる…」


「あ、すまない…」


割と可愛いところを見せるビャッコである。


「でも、好きなのは僕も変わらないよ…?」


「嬉しいぞ…四神だと分かっているのに関係なしに私を愛してくれることがな…♪」


「もういっそのことつがいになっちゃう?」


「なっても…いいぞ…?」


「ふふっ、でも、まだやめておこ?付き合ってからまだ時間も経ってないんだし…」


「私としては…早くカエデと作った子供の命をお腹の中に宿したいな…///」


「夢が広がってるね!そうだ…御三方!」


「はい?」


「これからビャッちゃんと出かけるんだけどさ、どうせだしついてくる?ただカフェに行くだけでも…」


「うーん…どうする?」


「行きましょうよ!オレンジお兄様!タイリクオオカミお姉様!」


「そうだね?楽しそうだし…ね」


「じゃあ行かせてもらおうか!」


「よし!…じゃあ、御三方、オススメのカフェってありますか?」


「オススメ…あそこだね!あ、せっかくだし運転してくよ!」


オレンジが言う、あそことは…



「やっほー!」


「あ!オレンジ!」


オイナリサマとフェニックスのカフェ。ちなみに着いた頃にはもう5時頃。


「こんな遅くにどうした?珍しいじゃないか」


「今日はね…この方と仲を深めるためにどうせだから行こうって話になってね?」


「こんばんわ!カエデです!」


「おっ!今度やるパーティーの参加者か!このカフェの店長、フェニックスだ!よろしくな!」


「私はオイナリサマ!このカフェの副店長だよ!よろしくねっ!」


「…さ、好きな席に座ってくれ?もうバーにもなる時間だからお酒ももちろん大丈夫だぞ?」


「あー、運転するから今日は遠慮するね」


「私は…いつもの、お願いできるかい?」


「私はコーヒーで、甘めでお願いしますー!」


「そうだね…僕はココアでお願いしようかな?ビャッちゃんは?」


「私は…同じで頼む」


「僕はイチゴミルクで!」


タイリクオオカミのみ、カクテル。


「わかった!オイナリ、俺はカクテルを作る。残りは…頼んだぞ?」


「おっけー!」


「…そうだ、パーティーのときは厨房やらは貸してやるが、食材は自分で買ってこいよ?」


「もちろん!」



「オオカミ、完成だ」


「おっ」


「アップルロワイヤルだ」


「ふふっ…夜近くにここにきたときはいつもこれを楽しみにしていたんだ…」


「美味しいからな!オイナリもいつも飲んでるくらいだからな!」


「甘いし弱いからねー!あ、みんな!できたよ!カエデさんとビャッコが…ココアだね!」


「ありがとうございます!」

「ありがとう」


「オリーブが…甘めのコーヒーだね!」


「ありがとうございますー!」


「…あれ?オリーブ?イタリアオオカミさんじゃ…あだ名か何かで?」


「あっ…」


うっかり怪盗団の名前で呼んでしまったオイナリサマ。


「あぁ、3人が隠すべきことは喋っていいぞ?カエデには理解してもらってる」


「…あぁ!怪盗団のことですか?」


「…喋っちゃってるんだ…まあ理解してくれるならいいけど!そうだよ?僕たちは例のリバースワールド怪盗団だよ?」


「ですよね!いやー、前から憧れてたんですよね!」


「え?」


「だって警備が凄そうな場所に怖じけずに潜入するなんてカッコいいじゃないですか!ゲームみたいですよ!」


「ゲームじゃないんだよなぁ…」


「あの!」


「ん?」


「ビャッちゃんとかの四神も協力者って聞いたんですけど、僕も協力者…いえ!仲間にさせてください!」


「…となると?」


「僕を怪盗団に入れてください!」


この現状に誰がなると予想しただろうか。


「…ごめんね?ちょっと待ってて?…どうする?」


「協力者がどんどん増えてくよ…このカフェ、幻獣のみんな、四神のみんな、そして学校…」


「…どうするんですか?オレンジお兄様」


「…ここはとりあえず保留にしてみんなと話し合わないと…ごめんね?今は保留にさせてもらってもいい?」


「え?なんでですか?」


「そりゃあ…他にもいるからね…8人くらい。だから、しっかり話し合って決めないとなんだ…」


「ですよね…まあ、返事はいつでも待ってますよ!…連絡先、交換しましょ!」


「あ、そうだね!」



「ありがとうございます!」


「ありがとね!そうだ、お兄ちゃーん?」


「どうした?」


「今度ここでパーティーやるでしょ?どれくらい席余ってる?」


「広いからな!かなーり余るぞ!…他に誰か呼ぶのか?」


「せっかくだから協力者みんなとリベリオンウィングの方々も誘おうかと思ってね!」


「リベリオンウィング…もう一つの怪盗団か?」


「そう!連絡先交換したからね!」


「なるほどな?でも他に協力者とかいたか?」


「学校があるじゃん!だから校長とか?」


「…まあいいが…フレンズか?」


「いや?普通の女の人」


「…多分困惑するだろうな」


「え?なんで?」


「全員フレンズだろ」


「…あっ」


そう。リバースワールド怪盗団の団員、カフェの2人、幻獣の5人、そして四神の4人はみんな、フレンズなのだ。


「…まあなんとかなるでしょ!」


「おう!」


「いやー、忙しくなるぞ…!」


このあとはそのままビャッコとカエデを家に送り、帰る。

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