第5話 前日

質問が終わって皆が教室に戻ったとき…


「お疲れ様でしたー!ありがとうございます!凄かったですねー」


「いや、あれぐらいどうってことない!」


「俺が受け持ってるクラスに…怪盗団がいたなんて予想外すぎる…」


「実はもう1人いるんですよ?…イタリアオオカミが」


「えっ!?なんで呼ばなかったんですか!」


「昨日怪盗団に入ったばっかだから…」


「あぁ!なら仕方がないですね!それと、あなたたちにはこれから怪盗服で学校で生活することを許可します!」


「あー、それは別にいいかと…」


「むしろバレるのやだだしな!」


「わかりました!では、これからも頑張ってくださいね!応援してますから!」


「ありがとうございます!」



教室に戻ってから


現在、休み時間…着替えるのがめんどくさいからという理由で着替えないでいる。


「お前…怪盗団だったんだな…!」


「うん。怪盗団。だとは思わなかったでしょ?」


「あぁ…思うわけがないだろ…!」


「まあそうだよね?さてと、これからうるさくなるぞー?ねっ?オオカミ?」


「うん…でも…ね?もう」


「ねぇー!タイリクオオカミー!」

「聞いてよー!」


「あー、まあ思ってた通りだよ」


「…ごめんね?ちょっと私は予告状のデザインをしたいんだ…」


「あっ!ごめーん!」


「…すごいな、怪盗なんて」


「楽しいよ?」


「いや楽しくてもそんなの簡単には出来ねぇよ」


そんな感じにうるさくなりながら、過ごす4日間だった。











展示会当日…


「さて、じゃあ俺は行ってくるからなー?」


「うん!いってらっしゃい!」

「いい情報を頼む」


「まっかせてー!」



展示会場…


「さてと、入れたな…」


「すみません」


「ん?」


「あの、少しお伺いしたいんですけど」


「あ、はい」


「今日はどうしてこちらに?」


「あー、姉が今年成人式でして、着物が実際どういうものがあるのか、というものが知りたいらしくて、今日は姉が忙しいのでこの僕が代わりで行っています」


「姉が成人式…はい、ありがとうございます」


『今の…警察か?』


怪しみながらも難なく突破するアップル。


「あっ、そうだ。すみません」


「はい?」


「ここって撮影大丈夫でしたっけ?」


「あ、大丈夫ですよ」


「ありがとうございます」



『中でも当然のように警察はいる。だが室内の様子を撮らなければいけない。…バレたら終わりだ…!』


「…例の物の奥側に通気口入り口。そして四方に防犯カメラ、例の物は強化ガラスを使っている…厳重だな。…そうだ、トイレも見ておくんだったな!」


用意は周到にしておかなければいけない。


「…なるほど。奥から二番目のトイレの上に通気口っと…よし、大体撮れたな!帰るとするか…」





アップルが帰還した。


「こんな感じか?」


「…なるほど。十分な情報量だ。ありがとう」


「さて、アップルも帰ってきたことだし、私たちはオリーブの怪盗服を探しに行ってきてもいいかい?」


「買い物か?いいぞ、いってらっしゃい」


「いってらっしゃい!僕たちは作戦を立ててるからね!」


「行ってきます!」


メスが買い物にいく。その間、オスたちは作戦を立てる。


「今回の盗む対象は着物だ。重くてしかも取りにくいはずだ。オレンジとプラムならいけるはずだが…2人で大丈夫か?」


「頑張ってみるよ!」


「…オリーブも行かせてみるか?かなりの伸び代だしな?」


「それは自己判断に任せたほうがいいと思う。可能な限りは手助けするが、大体は自分の身は自分で守るからな…ともかく侵入経路と脱出経路の説明を話す。よく聞けよ?」


「うん…」



「まず、ルートは二つある。屋上から侵入するルートと窓から侵入ルートだ。どっちかと言えばもちろん窓から侵入ルートの方が見つかりやすいし遠い。だから屋上から侵入ルートが早いと思う」


「屋上から行くとするならどんな感じ?」


「ここからも2種類ある。屋上から階段で降りて行くか、通気口を通って宝の真上に行くルートのどっちかだ。競馬がどのように配置されるかどうかもわからないこの状況、通気口ルートが多分一番安全だ。

だが通気口ルートはやはり狭いところが欠点だが…いけるな?」


「もちろん!」


「よし。ではいつでも行けるように…カカオ、武器やら道具の準備を頼む」


「おっけ!ちょっと待ってて…?」



「はい!こんな感じでいいかな…?」


カカオが用意したのはグラップラー二個、水鉄砲、空気銃、爆弾数種類だった。


「…一応聞いておくが、爆弾の種類は?」


「睡眠爆弾、煙爆弾、粘土爆弾、そして新しく作ったスタングレネード!それぞれ三つずつあるからね?」


「おう!ありがとな!」


「ただいまー!」


「おっ、早いな。オリーブ、いい怪盗服は見つかったか?」


「はい!今から着替えてきますね…?」


「あ、オリーブ!」


「はい?」


「来週に家具とか買うからさ?ついてきて?」


「家具?何の家具ですか?」


「ほら、わからない?部屋が殺風景でしょ?オリーブの部屋が布団と荷物だけってやだだと思うから来週、いっぺんに買い揃えるから安心してね!」


「ありがとうございますー!」


「あと、オリーブに聞きたいが…怪盗団内ではどんな役割が持ちたい?」


「役割?」


「そう。役割。前にできれば潜入してみたいって言ってたけど…オリーブの成長は著しいからまあ潜入はできるよ?そこで、潜入したときの役割を決めてほしいな?」


「どんなのがあるんですか?」


「うーん…なんでもありだけど…僕は主に取った後の逃げ、プラムはもし警察に近づかれた時の実力行使役だからそれ以外ね?」


「あ、ならやってみたいのがあります!でも…カカオさんに迷惑がかかるかも…」


「僕に?」


「はい…よくありそうじゃないですか?見えないセンサーとか。それを探すような役割を持ちたいです!」


「あー、僕に迷惑がかかるのって、調べるためのものが必要だからってこと?」


「はい…」


「そのくらい任せてよ!迷惑でもなんでもないからさ!…僕に開発させて!」


「いいんですか!?」


「もちろん!なんていったって僕はリバースワールド怪盗団の開発者だからね!」


「なら…光学メガネってできますか?」


「あー…うん!頑張ってみる!」


「ありがとうございます!


「ふふ…これから忙しくなるけど、学校で開発できるようになったのが大きいね!」


「そっか!学校でできるようになったんだったね!」


学校に許可をもらっているらしい。なんと突然な。

とな感じに、夢が広がる新メンバー、イタリアオオカミのオリーブである。


「そうだ、私も予告状ができたよ?」


「ほんと?見せて見せて?」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

明日になった瞬間、高級着物、黄竜を頂きに参る。

警備を強化したって無駄だと思え。


             反転世界リバースワールド怪盗団

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…おお!いいんじゃないかな?」


「名前も公開したことだからね?随分と書きやすくなったよ」


「いやー、公開しちゃったからにはね?日本で有名にならないと!」



「じゃあ…今から自由時間だね?」


「あぁ。明日に向けて英気を養え」


「おっけ!さ、オオカミ?ちょっと出かけてくる?」


「そうだね?じゃあちょっと出かけてくるからね?」


「わかった!いってらっしゃい!」


たまには楽しく過ごしたい怪盗団でもある。



カフェについたオレンジとタイリクオオカミ。


「ふぅ、やっぱここのカフェは落ち着くねぇ…」


「おっ、それは嬉しいな!」


ここのカフェは夫婦で経営しているカフェ。フレンズが経営しており、夫はフェニックス、妻はオイナリサマとのこと。

オレンジからすればこの2人は大の仲良しであって、昔から年齢が離れた友達でもある。

もちろん、この夫婦も怪盗団の協力者である。

…一応あまり繁盛しないらしく、オレンジたちが行く時間帯には大体人はいない。


「さー!できたよー?特製のココア!特別にハチミツと生クリームもトッピングしたよ!」


「ありがと!」


「最近どうだ?怪盗の仕事は」


「いやー、まさかあんなことが起きるなんて思わなかったよ!ねぇ?」


「ほんとだね…?」


「ん?何があったのー?」


「学校でね?バレちゃったのよ」


「は!?大丈夫なのか!?」


「大丈夫。学校全体で支持してくれることになった!」


「それは大掛かりな…でもなんでだ?」


「校長が怪盗団のファンだったらしくてねぇ…?」


「へぇ…怪盗団のファンなんかいるんだね…まあ私たちも、その怪盗団に目をつけられちゃったからなぁ…」


「俺たちは可能な限り!怪盗団の味方をするからな!」


「ありがとね?」


「そうそう!来月分の食費、これでいいかな?」


全員学生で、怪盗団の仕事でバイトができないのため、食費だけでも出してくれるらしい。かなり助かってる。


「おっ!ありがとね!」


「でもそっちは大丈夫なのかい?」


「大丈夫だ!こう見えても夜はバーとして経営してるから割と人は来るんだぞ!」


「そっか!そりゃよかった!」



カフェを出て、次はいつも行く物資補給のための店に行く。


「やっほー」


「おっ!オレンジか!久しぶりだなー!」


ここにも怪盗団と仲がいいフレンズが経営している。4人で経営しており、店長はフェンリルであり、店員はマンティコア、ロック鳥の兄弟である。


「久しぶりだな。さて、今日は何が欲しいんだ?」


「ちょっとカカオにお土産を買って行こうと思ってね?」


「カカオか。ということは機械関連だな?」


「そう!光学系がいいんだけど…」


「光学…ちょっと待ってろ?」


「…そうだ!オレンジ!」


「ん?」


「プラムにこれを渡してくれないか?」


渡されたのは謎な封筒。見ないでおいた方が良さそう。


「…わかった!」


「…こんなもんか?出血大サービスでパソコンを作る部品もプレゼントだ!」


「嘘ォ!?ありがとう!」


「これからも活躍を期待してるからなー!」


「がんばれよ!」



最後にとある物を受け取りに行く。そこはとある場所の一軒家…


「おーい、いるー?」


「…お、オレンジか!入れ入れ!」


ここは四神の家。つまり、スザク、セイリュウ、ゲンブ、ビャッコがいる。こんなにも神々しい家があるだろうか。

ちなみにもちろん彼女らも怪盗団の協力者である。神が多い。


「おお、久しぶりじゃな?」


「用件は…私たち経由の物かしら?」


「そう!」


「わしが取ってこよう…」


「…最近どうじゃ?」


「新メンバーが加わったりねぇ…たくさんあったよ!」


「おぉ!ちなみに明日のアレは…」


「もちろんやるよ!」


「だよなぁ!お前らだったらやると思ってたぞ!」


「楽しいのかしら?」


「もちろん楽しいよ?」


「へぇ…よくわからないわ…」


「さて、これか?」


「うん!ありがとね!」


「なぜ睡眠薬を?」


「プラムはあまり寝れないしそれに加えて睡眠爆弾を扱うからね。二つの用途で使うよ?」


「あぁ。なるほど」


受け取るものは受け取り、帰る怪盗団であった。

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