第3話 初期段階

帰宅後…


ピンポ-ン


「おっ、出てくる」


約束した彼女が現れる。荷物を持って。


「さっきぶりです!オレンジお兄様!」


「おー!さっきぶり!どうぞどうぞー?」


「今日はよろしくお願いしますね!」


「うん!さ、部屋を案内するよ?とは言っても部屋はあまり無いから僕たちの部屋で一緒に寝るでいい?」


「はい!でもオレンジお兄様のほかに誰と寝るんですか?」


「オオカミだよ?タイリクオオカミ」


「タイリクオオカミお姉様ですか!嬉しいですー!」


「よかった!布団で寝てもらうことになるけど…いい?」


「むしろそっちの方が慣れてます!」


「そりゃよかった!じゃあ一名様ご案内〜♪」



「あれ?なんでベッドひとつなんですか?」


「え?決まってるじゃん」


「ですよねー」


「この部屋のベッドの上で毎日のように最高のひとときを過ごしてるよ」


「…してるんですか?」


「するときもある。まあ怪盗仕事に支障が出ないようにあまりしないけど、最近してないな…」


「金欠なんですか?あまり大きくなさそうですけど…」


「宝盗んで色々やってるけど普通にお金はある」


「じゃあなんで…」


「警察に捕まらないようにするための道具集めと生きるための物を買うため」


「なるほど…」


「まあ…イタリアオオカミが援助としてくれるものももちろん活用させてもらってるけどね!」


「それは嬉しいです!」


「特にレーザーポインターなんか大いに役立ってる!」


「え?レーザーポインターが?」


独自の訓練所を持っているけどそこでレーザーポインターを多用している。


「そうだよ!現場、後で見てみる?」


「お願いします!」


「ふふっ、元気がいいね!さ、みんなのところに戻って夕飯食べようか!」



「というわけで、今日の夕飯は俺が作ったもんじゃ焼きだ」


コスモスは割と料理は上手い方でもある。


「もんじゃ焼き!久しぶりだなぁ…」


「修学旅行のときに一回食べたんだったな?それ以来食べてないな…」


「そうだ、イタリアオオカミが訓練所を見たいって言ってたけどいいかな?」


「なんなら一緒に訓練してくか?」


「訓練って…怪盗のですか?」


「当たり前だ。単純だが…割と難しいんだぞ?」


「でもできたときには楽しいと思うよ!特に未経験者のイタリアオオカミならね!」


「そうなんですか…!知らないところがどんどん分かっていって楽しくなってきます!」


「あ、昼の時に言ったお誘いの返答はいつでもいいからなー?急ぐ必要はないからな!」


「いえ!もう決心しました!」


「へ?」


「私、怪盗になります!怪盗団を皆さんが続ける限り、皆さんの手伝い、なんでもします!」


「…今なら戻れるよ?本当にその選択でいいんだね?」


「今の私の心を揺らごうとしても無駄ですからね…!」


彼女は決心した。この心に揺らぎはないらしい。


「…ふふっ!その決心、しかと心に響いたよ!」


「イタリアオオカミ?リバースワールド怪盗団に、ようこそ?」


「歓迎会だ!Fooo!」


「ほら、さわご?楽しんでいいからね?」


「オレンジお兄様…!」


「あっと、怪盗団に入ったからにはお兄様とかお姉様はダメだよー?ちゃんとコードネームがあるから任務内ではコードネームで呼んでね?」


「コードネーム…?聞いたことないんですけど…」


「あっ!そうだったね!僕達のコードネームは人間からすればそのままコードネームっぽくなるから名前をそのまま利用してるよ!でも…メスは名前だと長いしバレると大変だから新しくつけてるよ?」


「へぇ、どんなコードネームなんですか?」


「私は「ウルフ」。そのままだよ?」


「この私は「コンダクター」。指揮者という意味でもあるのです!」


「私は「ビート」!いつも元気だからって言う意味で付けられたー!」


「私は「ファントム」なのです。理由として影に隠れて仕留めるのです。さらには怪盗団のカモフラージュも行ってるのです」


「私はー、「サンド」なのさー。元々砂漠にいる動物だったからねー」


「な、なるほど…!」


「そうだ!イタリアオオカミも怪盗団に入ったことだしコードネーム考えてあげよ!」


「おっ!そうだな!」


「えっ…私にも…」


「いいね?」


「あっ!はい!」


「そうだね…イタリアオオカミ…イタリア…」


「どうせならイタリアに関することがいいよな…」


「な、なら!前からつけてほしいって思ってたのがあります!」


「え?」


「「オリーブ」、なんてどうでしょうか…?」


「オリーブ…いいんじゃないかな!」


「俺もいいと思うぞー!」


「みんな賛成だね?」


みんながうなずく。


「じゃあこれから怪盗団内での呼び名はオリーブ!よろしくねっ!」


「はい!」


「…ひとつ聞く。ここに住むか?」


「うーん…できればそうしたいんですけど」


「よし、少しの間布団になるが…いいか?お金が集まればベッドやら色々なものが用意できるから」


「はい!ありがとうございます!」


「あー、それと…ここにいる限り、敬語じゃなくていいんだよ?」


「いえ…敬語じゃないと話しにくいので…」


「そっか!じゃあ敬語のままでいっか!」


「そうそう、オリーブに一つ聞いておこう。潜入したいか?裏で援護したいか?」


「どっちかと言えば潜入したいんですけど…できますかね?私に」


「大丈夫だ。俺たちは訓練をしていて、誰が急に潜入することになっても大丈夫なように素早く移動できるようにしてある。もちろん最初は誰もレーザーを素早く避けながら進むことなんて出来なかった。だが、訓練すればあのコースだって一瞬だからな」


「あのコース?」


「そうだ。最初の頃の訓練所の一番難しいコースだ」


「最初の頃?」


「まあ今はコースがかなり難しくなってるからな。見るか?」


「はい!見ます!」


「よし、じゃあついて来い。みんなも訓練するはずだからな」



地下室…


「…さて!ようこそ、僕たちの訓練場へ!」


簡単に言うならば殺風景な部屋である。正方形の部屋、天井、壁、床に一定の間隔で丸の印がついている。そして部屋の真ん中にとある台とボタンが置いてある。そして部屋の奥の壁のくぼみにはタイマーが置いてある。


「さて、どんな訓練するかわからないと思うから実践してみるよ!コスモス、お願いね!」


「おい、着替えるの忘れてるぞ」


「あっ!」


「着替えるってどういう着替えなんですか?」


「え?みんな怪盗服に着替えるってこと!そうじゃないと大変だしさ?制服から着替えてないから動きにくいし?あ、簡易的にだけど怪盗服貸してあげよっか?今度の休みに怪盗服を買いにみんなで見て回ろっか!」


「そうだな!みんな個性的だからな…オリーブのも個性的になるんだろうなぁ…」


「まあこの中で一番怪盗らしいのってオレンジとカカオだよなぁ…」


「え、僕ってそうなの?オレンジは黒いコートでまだマシだけど僕は真っ黒な紳士服的な服だよ?ていうか執事が着てそうな服」


「だってそうじゃん。学校に行けば女子からキャーキャー言われるしカッコいいしさ、もう紳士じゃん」


「そういわれてみればそうかも。でもプラムとかアップルとかコスモスはやばいと思う」


「まあな…個性的だろ?」


「確かにそうだけど…カウボーイ服とか和服とかどっかの魔法使いが着てそうな服だし…」


つまりプラムがカウボーイ服、アップルが和服、コスモスがローブということである。


「まあまあ!そんなことより早く変装して訓練しよ!」


「私たちもやったほうがいいかい?」


「お願いね!」



怪盗団は着替えた。この姿をさっきまで普通のフレンズだった者に見せるのは初めてである。


「ふぅ、この服、昨日ぶりだね?」


「あぁ。俺たちにとってはな」


「えっ…雰囲気が変わった…?」


「ん?そうか?」


「これを仕事の時に着てるんだよ?今日出たテレビの特集の写真と同じ服、だよ?」


「あぁ…でもやっぱカッコイイです…!」


「そう?そう言われるとやっぱ嬉しいな…」


「ほらほら!そんなこと言わずに訓練を始めるよ!」


「あ、私はオリーブに簡易的に着させる怪盗服を探してくるね?」


「さてと…オレンジ専用コースでいいな?」


「もちろんですとも!」


「よし…では、起動」


コスモスが配置型パソコンのエンターキーを押すと部屋中に赤いレーザーが張り巡らされる。


「うわっ!?…私のレーザーポインターってこうやって…」


「さ、始めてくれ」


「あいよ!じゃあ…よーい…スタート!」


オレンジ専用コースを解説すると、オレンジの所持品であるグラップラーと空気銃を使いながら動くレーザーに当たらないようにボタンを押すコースである。ちなみに空気銃はうまく使えば長距離ぶっ飛べるカカオの開発物でもある。



「あい終わりィ!」


「おっ、速くなってるな」


「オレンジお兄様…カッコイイですー!」


「ふふふ…そうかな?」


「さ、戻ってこい」


「え!?解除してくれないの!?」


このまま新メンバーを加えながらも訓練をしていく怪盗団である。





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作者のトーク

ここからは長く書くとコラボとしても長く付き合ってもらうことになるので迷惑になるので過程をすっ飛ばしたりします。ご了承を。

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