許嫁が実家に来るんだけど、どうすればいい?
第1話
「んん……」
まだ寝ていたいが、俺は目を開けて体を起こす。
「うはぁ……。」
あくびをした後、ベッドから降りて軽くストレッチをする。これのおかげで、完全に目を覚ます事が出来る。
「ん……おはよ。」
「あ、おはよう。光真君!」
リビングに来ると、既に瑠夏が起きており、更には朝食も並べられていた。相変わらず妻力が高い。
「今日はどうするの?」
「うーん。今日は何も決めてないな。」
「なら、私が提案していい?」
「ん、なんだ?」
「今日は光真君の家に行ってもいい?」
「えっ!?」
てことは、瑠夏が俺の家族に会うって事だよな。でも、確かに。家が隣なのに、一週間も会わずに挨拶してないのは駄目だよな……。
「い、いいよ。これ食べたら行こうか。」
「うん!ありがとう!」
あぁ。胃が重くなる。瑠夏が家族と会ったらどうなるんだ。特に夢だ。妹は反抗期だからなぁ。すごい心配だなぁ……。
「はぁ……。」
小さくため息を吐く。
でも、いずれ会う時が来るんだ。こういうのは早いほうがいいよな。
***
朝食を食べ終わってしまった。あぁ、体調不良を言い訳にして家に篭りたい。
でも、それはそれで瑠夏が凄く看病してくれそうで悪いし、いつまでも続ける訳にはいかない。
……行くしかないんだ。
自分の部屋に戻って、ゆっくりと着替える。
「光真君。着替えるの遅くない?」
ゆっくーりと服を脱いでると、瑠夏が扉
ノックもせずに扉を開けてきた。
「ちょ、ば、バカ!!部屋入る時はノックしろ!!……え、エッチ!!」
「ご、ごめんねー。」
瑠夏は苦笑しながら扉を閉めた。しまったな。最後のエッチはいらなかったか。
「–––––はぁ。早く着替えるか。」
瑠夏を待たせるわけにはいかないしな。
その後はぱぱっと着替えて玄関まで足を運ばせる。
「……じゃあ、行こうか。」
気怠くそう言うと、瑠夏は「うん!」と元気よく言って靴を履く。
俺と瑠夏の温度差よ。
俺も靴を履き、扉を開ける。
明るく辺りを熱している太陽にうんざりしながら、隣にある家に向かう。
「……とりあえず鳴らすか。」
家の前に着くと、俺はインターホンを鳴らす。なんだか、他人の家に来た気分。
『はーい、どうしました?』
インターホンの奥から聞こえて来たのは母さんの声だ。ひさしぶりに聞いたな。
「母さん。俺だよ。」
『俺って誰?オレオレ詐欺?』
「わかってて言ってるだろ……。光真だよ。」
『うん。わかった。ちょっと待ってね。』
母さんがそう言った後、インターホンの音が途切れる。
「ひさしぶり光真––––。そっちは瑠夏ちゃんだよね?」
「はい。清水瑠夏です。おひさしぶりですね。愛華さん。」
母さんはスリッパを履いて瑠夏に近づく。
「随分と美人さんになったねー!5年前はあんなに可愛かったのにねー!」
「えへへ。ありがとうございます。」
「………感動の再会の所悪いけど早く家に入れてくれない?暑くてたまらねーよ。」
「あっ、うん。わかった。早く入って。」
母さんが先に扉を開け、俺達が入るのを待っている。
「お邪魔します。」
「ただいま。」
俺と瑠夏が家に入ると、母さんはゆっくりと家を閉める。
あぁ。帰って来てしまった。
頼むからめんどくさい事は起きないでくれよ……。
突然現れた許嫁が俺にデレデレなんだけど、どうすればいい? カイザ @kanta7697
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