みんなで遊園地に来たんだけど、どうすればいい?
第1話
遊園地に到着した俺達は早速何に行くか考える。
「やっぱ、お化け屋敷か?」
流星がそう言う。うん。悪くない。入り口の近くにあるしな。
「ジェットコースターもいいんじゃない?」
九条の発言により、意見が分かれた。どっちも恐怖系があるから正直どっちからでもいいな。
「じゃんけんでどっち先に行くか決めようぜ。」
「お、いいねぇー。絶対勝つからね!」
流星の提案に九条が賛成し、手をお互いに前に出す。
「「じゃんけんーぽん!!」」
両者共にグーが出た。
「まぁまぁ、最初はこんなもんでしょ。」
「ははは」と流星は笑いながら、手を上げる。
「「あいこでしょ!!」」
九条がパー。流星がグーを出し、勝負は決まった。
流星は負けた事にショックを受けたのかはわからないが、がくっと倒れる。
「ま、負けた……。」
「やったー!私の勝ちーー!!」
二人のテンションの違いに俺と瑠夏は苦笑する。
……初っ端からジェットコースターか。大丈夫かな。俺?
今更そんな不安を抱きながらも俺達はジェットコースターの入り口に近づいて行く。
「な、なぁ、最初はもっとゆるい物乗らない?」
「何コウコウ?もしかしてびびってる?」
ふと不安を口に漏らすと、九条がにやけながら俺にそんな事を言ってきた。このっ……、馬鹿にしてるな?
「べ、別にそう言う訳じゃねーよ。最初に乗ると他のアトラクションに乗った時の刺激が薄れるかなーって思っただけだ。本当に。」
「へー。でも、いいんじゃない?最初からスリル満点のアトラクションに乗るのも。刺激なんて言ってるけど、どうせ何回も乗ってんだからそんなものないでしょ。」
「ま、まぁ。」
確かに年パスもあるし、何回も行ってるから刺激も何も無いような気もするけど、それでもなぁー。
「てことでほら早く行こ!」
「えっ、ちょま!!」
九条に強引に押されてアトラクションの入り口に入って行く。戻りたいが、後ろに他の客も並んでたので、俺はもう諦める事にした。
「それより席はどうするんだ?グッパで決めるか?」
「そうだな。それで決めよう。」
そう言って俺達は声合わせ、手を前に出す。
「––––––光真とかよ。」
「悪かったな。」
「よろしくねー。瑠夏。」
「うん。よろしく。」
俺と流星、瑠夏と九条で決まり、ちょうど、俺達の番が回って来た。
前にいた客の関係により、瑠夏と九条が後ろから二番目。俺と流星が一番後ろになってしまった。
俺達は荷物を置いた後、席に座って行く。
「なぁ知ってるか?」
「あっ?」
「一番後ろの席って、前の席に引っ張られて、より加速するらしいぜ。」
「………」
それを今言うなよ。
恐怖を抱きながら、アトラクションはスタートしてしまう。
ガタガタ。ガタガタ。
不安を感じさせる音出しながら、ジェットコースターはゆっくり上へと上がっていく。
「あぁ………なんで後ろに案内されたんだよ。」
「仕方ねぇだろ。席が埋まってんだからよ。」
ガタガタ。ガタガタ。
遂にジェットコースターは頂点まで達した。
「あぁ。吐かないでくれよ。俺。」
そんな事を願っている内に先頭から順に落ちていく。
「ぶ、ぶべばばべぼ!!」
それに引きずられ俺達も落ちていく。確かに勢いが凄い!!
「きゃああああああーーー!!」
「ぶばばばははぼぼべばべぼ!!」
前の席から九条の叫び声が聞こえて来るが今はそんなの気にしちゃいられない!
何度も続く衝撃と、引きずらる勢いに耐える為、俺は必死に安全バーを掴んでいた。
勢いが少し落ち、ジェットコースターは再び上へと上がり、また落ちていく。
そしてようやく完全に勢いが無くなり、アトラクションが終了する。
約二分程の短い時間が長く感じた。俺、もう後ろの席に乗りたくない……。
「よし、次はお化け屋敷だな!!」
変わらず元気な流星はがはははとがさつに笑いながら、お化け屋敷に向かって行く。
……俺はもう既にくたびれながらもみんなについて行った。
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