第2話
昼食を食べ終わり俺達はそれぞれのクラスに戻り、授業を受けていた。
その間、俺はずっとある事を考え、ある事を実行しようとしたが、俺の都合により明日実行する事にした。
放課後、いつものように流星と帰ろうとしていると前の方向に瑠夏がいる事に気づく。以前は瑠夏を取り囲める程の人数だったが、何故か今日は男子生徒2人しかいなかった。
その2人の男の名は
……阿蔵隼は、まぁ、女子全般にモテそうなイケメンキャラだな。性格も普通に良いし、ラブコメで例えるなら、主人公の親友キャラって感じだな。
綾小路拓磨はスポーツマンタイプのイケメンで、確かバスケ部に所属しており、ある程度体もがっしりしている。女子からも男子からも人気な男で隼の親友ぽっい奴だ。
この2人のイケメンはどっちも俺と同じクラスだ。話すことはあるが、そこまでだ。
「おっ、確か阿蔵と綾小路だったっけか。あいつら何瑠夏ちゃんの隣歩いてんだよ……っ!!」
流星は3人の存在に気づき、嫉妬の炎に燃えている。
「おいおい。そんな目で見るなよ。気づかれるかもしれんぞ?」
とは言ったものの、以前の俺とは違い、別に後をつけている訳では無く、ただ帰り道が一緒なだけで、気づかれても特に問題はない。だが、嫉妬している流星を見たらなんか俺も勘違いされそうだからあまり見つかりたくないんだけどな。
っていうか流星の奴、俺の話が聞こえてなかったみたいだな。ずっとイケメン2人を睨みつけてる。
「おい、少しは落ち着けって。」
俺は流星の肩を軽く叩く。それでようやく落ち着いたのか、見開いていた目を少し細める。
「ってか、なんだよあいつら。なんで瑠夏ちゃんと帰ってんだよっ!」
「いや、それは前からだぞ。」
「……えっ?そうなのか?」
「あぁ。前に見た時はあいつら含めもっといたけどな。……それにしてもなんで急にあいつらだけになったんだ?」
瑠夏に興味をなくしたのか?いや、そうしたらみんな突然すぎるしな。だったらなんで……。
考えたが、答えが浮かばなかった。そして知らないうちにいつものコンビニにたどり着き、前にいた3人は何故か止まっていた。
「それじゃあ、私はここで。」
「あっ、そう。それじゃあまたね。清水さん。」
「じゃあな。清水。」
「うん。またね。阿蔵君。綾小路君。」
そうして瑠夏は1人になり、まっすぐ道を進んで行った。俺と流星は阿蔵と綾小路と接触してしまう前にコンビニに入った。
「にしても瑠夏ちゃんってめちゃくちゃ人気だな。」
「そうだな。美人だし、誰とでも人当たり良いしな。そりゃ人気にもなるだろ。」
こんな事言って少し恥ずかしくなった。俺が言ったんだけど、これって許嫁を褒めてるだよな?まぁ、俺と瑠夏にしか知らない関係なんだけどな。
「ん?どうした。なんでちょっと顔赤いんだよ。」
「………暑いんだよ。」
暑さを言い訳にし、俺は一旦落ち着くように深呼吸する。
「––––––それにしても、あいつら何話してたんだろうな。」
「さぁ?瑠夏ちゃん。あの2人のどっちかに脈ありなんじゃね?……悔しいけどっ!!」
自分で言っておきながら、流星は再び嫉妬の炎に燃える。
「–––––まさかな。」
瑠夏は俺にデレデレのはずだ。なんせ、俺と無理矢理同居させてもいるわけだし。
でも、流星が言っている事が本当だったら瑠夏は俺に冷めたのか?いや、でも、今日の反応を見る限り、そんな事は無さそうだったけど。
「そろそろあの2人もいなくなっただろうし、俺達も帰ろうぜ。光真。」
「………」
「光真?」
「え、あ、あぁ。そうだな。」
俺達はコンビニを出て、家に帰る事にした。
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