アンブローズとJ

@kunsan

第1話 アンブローズ

土砂降りの雨の中、道端に10歳くらいの少年が俯いて座っていた。そこに、身長が180cmはある20代やそこらのスーツを着た男が歩いてきた。そして男は少年に尋ねた。

「どうしたんだ。何をしている。」

すると少年は、

「分からない、、、。」

と答えた。

男は少年が気になったので、自宅へ連れて帰った。男は貴族の出身らしく、家は豪華でとにかく大きかった。

少年の話を聞いてみると、どうやら記憶が無いらしい。男はしばらく、少年を引き取ることにした。

次の朝、少年が窓の外を見てみると、男が剣を振っていた。力強く、綺麗な素振りだった。すると、男がこちらに気付き、手招きをした。少年は着替えを済ませて、男がいた裏庭へ向かった。

男は少年に剣を教えるようだ。1度振ってみろというので、少年は振ってみた。すると男は、少年にこと細かくアドバイスをした。


少年は一日中、アドバイスをもらいながら素振りをした。

「お前、名前はなんていうんだ?」

男が尋ねた。しかし、少年は名前も姓も思い出せなかった。すると男は、

「アンブローズ」

と、少年に名前を付けた。そしてこう付け加えた。

「俺のことはJと呼べ。自分の名前はあまり好きではない。」


アンブローズはそれから、毎日男にアドバイスをもらいながら素振りを続けた。

ある時、男は言った。

「お前には剣の才がある。2年後の騎士見習いの募集に応募してはどうだ?」

アンブローズは頷いた。

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