第64話 ススキというアウトローな植物
三大穀物というのをご存じだろうか?小麦、米、トウモロコシである。これら3つは人類と共に文明を築き、発展に伴い姿形を変えながら私達の食生活で最前線に居続けてくれる存在だ。私達は文句も言わない無抵抗なこいつらを一方的に刈り続けているが、これが彼らの生存戦略でありどれか1つでも無くなった場合、環境のバランスは崩壊して私達は飢餓で苦しんでしまうだろう。
この3つの特徴としてイネ科の植物である事だ。イネ科は結構、食べられる事を選択して生存戦略に試みている植物が多い。その中でこの季節の風物詩でもあるススキさん。こいつ、実はイネ科の雑草であり三大穀物とは真逆の方向に進化したヤバい奴である。
お分かりの通りそこら辺に自力で生えて来ます。三大穀物みたいに機械や動物を頼っていません。乾いた大地だろうが沼地だろうがお構いなしに生えて来ます。耐暑耐寒共に優れており、完全に枯れ果てる事無くその場に存在し続けます。
根っこは頑丈で深く、横に伸びて行く傾向にあります。横に伸びて勢力を広げていきます。そして高く育つのが特徴です。こうする事で高く育つのが苦手な植物の日光をカットして育たない様にしています。因みに竹も同じような生態をしています。ススキも竹も独自のネットワークで繋がっており、それでススキ同士は満遍なく育つように調節しています。
そして、ススキの特徴として葉鋸と言うものがあります。触るとザラついていて、下手に引っこ抜くような事をしたらズパーと切れてしまう雑草です。小さい頃にそんなの良く分かってなかったんで、何回かやらかしてましたね。昔の人は大変だったと思います。今でこそ草刈り機があるから一方的に借り続けられますけど、手と鎌の時代は大変だったと思います。
このように三大穀物が人気者のお坊ちゃんだとしたら、ススキはアウトローな存在です。どういう訳か、海外の方では侵略植物という事で猛威を振るっております。皆さんも花より団子かも知れませんが、身近な植物など知ってみるのはどうでしょうか?案外、私達の周りは知らないがいっぱいです。
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